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こんな展開、望んでなかった!(9)
もし本当に、振られるかもしれないからという理由で告白できないのなら、それはかなり面白い。これだけモテる周なのに、コイツにも無理な相手がいるんだな。
「なぁ、周」
無理な相手なら、早いとこ告白させてしまえばいい。告白して、砕けてしまえばいいんだ。
女子からちやほやされている周を見るのは、正直もうウンザリ。一度くらい振られてしまえばいい。それでこの騒がしさがなくならなくても、俺の中で少し落ち着くところがある。
人の不幸を笑うなんて最低なことだけれど、俺は周のせいでたくさん嫌なことがあった。だからこれくらい願ったって、罰は当たらないはず。
「告白してみろよ。その好きな子にさ。周なら絶対に成功するって」
やりたくもない応援をする。でもこれは、その後の面白い結果を見るために必要なこと。今はとにかく、周をその気にさせなくては。
「ほぉ、その根拠はどこから?」
周がポケットからまた飴を取り出し、ゆっくりと口に含む。お前もまた食べる? と、そんなふうに飴を差し出す周に、首を横に振った。
「……だって周って、かなりのイケメンじゃん? これだけモテてるんだから、自分でも自覚あるだろ? 誰も断る奴いないって」
今はこう言うしかないから、仕方なく。目線を逸らし、渋々褒める。すると、周がクスリと笑う声がした。それから俺の肩を掴み、距離を縮める。女子がざわめく。そりゃあそうだ。だってこの距離、もうすぐお互いの鼻がぶつかってしまいそう。
「言ったな?」
「……おう。てか、周。距離近くない?」
後から困るのは、俺なんだけど。周は知らないだろう? 怖い女子もいるんだよ。あんなに近い距離で何を話していたのかって、後で絶対に問いつめられる。
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