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出来の悪い弟(2)

何の問題も起こさなかった日でも、本当に何もなかったのかと兄貴は毎日聞いてきた。親に迷惑をかけるなとぎゃんぎゃん俺に向かってわめいた。いや、だから今日は何もやってないってば、と心の中で呟きながら無言でお説教を聞いていたこともよくあった。 できるならば言い返したかったよ。だけど、そんなことをしたって無駄だろう。兄貴が完璧すぎて何を言っても余計に怒らせるだけなんだから。それくらいは俺でも分かる。 中学生になっても俺はほとんど変わらなかった。小学生の頃みたいに大きな問題を起こすことはなくなったけれど、頭のレベルが大きな問題だった。言うまでもない。俺はバカ。 だけど塾に行かせるにしても、バカすぎる俺だから、金の無駄になって終わりかねないと判断され、塾には行かせてもらえなかった。親を見るふりをして後ろのテレビ画面を見ながら、塾なんてこっちから願い下げだ、ばーかばーかと心の中で文句を言った。 それを後悔したのは三日後。土下座してでも塾に行かせてくださいと、そう頼み込めば良かった。 どうしてか、兄貴が俺の勉強の面倒を見ることになってしまったのだ。頭を抱えて床に打ち付けるくらいには嫌だった。兄貴にバカにされ続け、俺がやる気をさらに失い、それこそ本物のバカになってしまう、そう思ったから。 兄貴が俺の勉強を見ることになったのは、中学一年の夏で、二年になった今でもそれは続いている。

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