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特別な一日。(7)

頬を赤らめてもじもじする岩橋さんは、誰が見ても可愛いと思うのだろう。見た目だけじゃあない。岩橋さんの性格の良さはみんな知っているし、こんな人が彼女になって隣にいてくれたら幸せなんだろうよ。  けど俺、どうしたって水谷がいいんだよなぁ。おかしな話だよ。顔はすっげぇイケメンで全然可愛系じゃないし、性格は素直じゃなくて面倒だし。だいたい男だし。そんな奴のどこがいいんだろうって、ふとした時に笑えてくるくらいだ。 「駒野くん、やっぱり直接気持ちを伝えたくて」 「……あ、」 「駒野くんってね、どこか一歩下がって客観的に物事を見てるじゃない? 初めはそれがどこか冷たく感じて、……駒野くんのこと苦手だったんだ。でもそれは間違ってたんだなぁって思ったの。一歩下がって見ている分、誰よりも色んな人のことを見ているんだなぁって」 「岩橋さん、褒めすぎだよそれ……」 「……全然褒めすぎじゃないよ。駒野くんはね、自分にも他人のことにもあんまり興味なくて気づいてなさそうだけれど、さり気なく誰かの助けになっているんだよ。……って何だか私、ものすごく偉そうなこと言ってしまったね。ご、ごめんね……。えっと、それで、だから私、駒野くんのこと、好きなの。良かったら、もし良かったらなんだけど、付き合ってください……!」 「……っ、あー、えっと、」 色んなことに戸惑って、うまく言葉が出ない。少し俯いたまま一歩下がってしまった。だって、長所が一つも見つからないとネガティブなことを考えていたのに、思いもよらないところから急に褒められたんだ。どうしたらいいのか分からなくなるのも無理はないだろ。あげくチョコだけじゃあなくて直接告白されるし。

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