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同じ気持ち(6)

「早見君、可愛い」 「……んっ、」 「夢じゃないって信じてくれるまで、キスするからね」 また意地悪な僕が出てきた。早見君の表情を見たらいっぱいいっぱいなのが分かるのに、そんなことを言ってしまう。学校に来て早見君を見るまでは僕だって余裕はこれっぽっちもなくて、不安で仕方なかったのに。どうしてこんなにも意地悪したくなってしまうんだろう。 「早見君、好き。君も僕のこと、好き?」 「…………好き、」 小さくそう呟いてくれた早見君。僕はたまらなく嬉しくなって、今度は少しだけ長く唇を合わせた。早見君が僕の背中に手を回す。きゅっと服を掴まれて、また幸せになった。早見君にチョコを渡すって決めて良かった。早く学校に来て良かった。……早見君、好き。 「……んっ、ふ、」 しばらくキスしていると、息が苦しくなってきたんだろう。早見君が顔を歪めた。慌てて唇を離し、ごめんねと謝る。つい夢中になってしまったと照れてそう言うと、早見君は僕の服を強く掴んだ。何か言いたいことがあるような、そんな顔になって、ぎゅっぎゅっと、どんどん力が強くなる。 「早見君?」 「ねぇ、日村君」 「ん?」 「ぼ、僕ね。まだ、夢だと思ってしまう。だ、から、あの、キス……やめないで?」 「……っ、」 早見君が背伸びして、自分から僕にキスをくれた。さっきよりも甘い。これこそ夢なんじゃないだろうかって、僕も信じられなくなってきた。 「早見君、花の水やりは……?」 「お花さんには、もう少し、待っててもらう」 「そっか、」 「……ふふっ」

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