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バカ+可愛い=?(1)

クラスの女子が、容器にまとめて入れてきたブラウニーを配る。これってちゃんとお返しした方がいいんだろうか? それとも貰いっぱなしでいいんだろうか? って迷うような中途半端なサイズ感と配り方。とりあえずありがとうと伝え、丁寧に味わうこともなく一気に口に入れると、程良い甘さが広がった。 「なに、お前もう全部食ったの?」 口の中をすっきりさせたくてペットボトルに手を伸ばすと、その手を宇佐に掴まれた。  どうしてそんなことを聞くのかと、呆れながら宇佐を見れば、小さめに切り分けられていたそのブラウニーを少しずつゆっくりと食べている。そこまで丁寧に味わうと、反対に味が分からなくなるんじゃ……? 「お前は丁寧に食べ過ぎ」 宇佐の手を軽く払い、自由になったその手で俺は、大切に食べているブラウニーをそのまま宇佐の口に押し込んだ。 「ちょっ、ばか……! 俺はお前と違って、俺のために作ってきてくれたお菓子を食べることはできないんだよ。こういうまとめて配られるものしかないんだから、適当になんか食えないだろ」 まだ数口分あったのに、もうなくなってしまっただろ、と宇佐が騒いだ。そんなこと知るか。そこまで味わって食べたいのなら持って帰ればいいのに。 「何かお前がそうやってちびちび食べてるの見ると、イラッとするんだよね。可愛くねぇし」 俺はそう言うと、今度こそ口にお茶を流し込んだ。

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