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バカ+可愛い=?(3)

成瀬はいつも俺に意地悪だよな、と宇佐が頬を膨らます。お前に優しくする必要がある? と、その頬を両手で包み込み押さえつければ、ぶっと音を立てた。その音に周りの奴らが振り返り、宇佐がオナラをしたと笑う。     本当は違うとみんな分かった上でそう言ってからかっているのに、宇佐には通用しないから。もう一度頬を膨らませ、今度は自分でその頬を潰し、音を立てた。ほら、この音だよと必死になる姿が面白い。 「分かってないのは宇佐だけだよ」 「はぁ? 何が? ……って、お前のせいで俺がオナラしたって思われたじゃないか!」 「だから、分かってないのはお前だけだって」 「もう意味分かんねぇ。意地悪するなよ……」 「じゃあ俺に意地悪させないで」 「何だよそれ」 目を潤ませて拗ねる宇佐。面倒になってきたからお茶を渡した。飲みたいなら飲めばいい。 「いいの?」 欲しがっていたくせに、いざ貰えるとこうして気になって聞いてくるなんて。 「いいよ」 そう言うと宇佐は、ニカッと笑い、ペットボトルに口を付けた。 「……ってお前、全部飲んでいいとは言ってないだろ!」 ごくごくと、ものすごい勢いでお茶が減っていく。いいの? って聞いたのは、全部飲んでいいかってことだったのか?信じられない。 「仕返しだ、ばーか! ……げふっ、」 「うっわ、きたねぇ!」 「へへっ」 ペットボトルを取り上げればそれはもう空っぽで。あげくゲップまでかけられ、怒りしか湧かない。それなのにどうしてコイツはそんな俺の前で笑っていられるのか。やっぱりただのバカじゃないか。チッと思いっきり舌打ちをして見せたが、相変わらず何も気にせずに笑っている。

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