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嘘? 本当?(2)

「にっ、二週間も会わないと、そんな、そんな恥ずかしい台詞とか、言えるようになるんだな、」 嬉しいのに。いや、嬉しいから。だから素直に「俺も」とは返せない。絶対に顔が真っ赤になっていると思う。頬の内側も熱い。手で触れてみたら、やっぱり外側も焼けるように熱かった。男なのにこんなことで照れたりなんかして。全然可愛くないだろうに。 「とりあえずさ、映画のチケット買いに行こうよ。昼からのやつか、夕方からのやつか、席の状況見て決めよう……!」   下を向いたまま、地面に向かって叫んだ。黒沢の鞄を掴み、引っ張っるようにしてスタスタと歩き出す。けれどすぐに鞄を掴んだ俺の手ごと彼の方へと引き寄せられた。 「照れ屋な矢田くん。映画館はそっちじゃないよ」  「うっ、」 「あと、視線逸らさないで。寂しいだろ?」  「だって、だってさ、黒沢が……って、いたっ、」 ばしっと俺の頬を両手で包み、黒沢はぐいぐい押しつぶすように力を入れた。唇が突き出て間違いなく変な顔になっているはずだ。黒沢はけらけらと笑っている。ついさっきまで照れていた俺だけど、こんなことをされムッとしたせいか、少しだけ頬の熱が引いたような気がした。 「ん? 俺がどうした?」 「……なんか、ムカつく! 嫌い!」 やっと満足したのか、黒沢が手を離してくれた。それでもまだ押さえられていた感触が残っている。 「エイプリルフールだからって嘘はダメだよ」 「嘘じゃない……!」 「だからぁ、そういう嘘はいけません」

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