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嘘? 本当?(7)

確かに今日の俺は始終黒沢の言動に振り回されていつもと違う何かがあったのかもしれないけれど、それでも俺は俺なのに。どうして今日はこんなに可愛いって言われるんだろう。変な黒沢。嬉しいけれど、戸惑いの方が大きい。 よく分からない少しモヤモヤした気持ちのまま買い物を済ませると、黒沢の家へと向かった。 「お邪魔します」 「お邪魔してやってください」 一人暮らしの部屋はけして広くはないし、何かすごいものが置いてあるわけでもない。でも、何の面白味もない地味なその部屋も、黒沢の部屋だから特別な空間になる。大好きな彼の匂いがいっぱいで、黒沢がトイレに行った隙に一瞬だけベッドに顔を埋めた。 「ひひっ」 「矢田、何笑ってるの?」 トイレから戻ってきた黒沢が不思議そうに俺を見る。笑ってる理由を言えるはずもなく、こっこりそんなことをした自分がおかしくなってきた。 「ひひっ、」 「面白いものあった?」 「何もない」 「……何で急にそこで真顔になるかな、」 「ご飯食べよ」 ガサガサと袋をあさり、とりあえずアイスを冷凍庫に入れると、それからドリアをレンジに入れた。そう言えば飲み物はあるからって買わなかったけど冷蔵庫から適当に持って行けばいいのだろうか。 「黒沢ー! 飲み物は冷蔵庫?」 「うん、冷蔵庫……って、だめ! 冷蔵庫開けないで」 「……ごめん、もう開けちゃった」 ものすごい速さで黒沢が走ってきた。そんなに見られたくないほど汚かったっけ? と冷蔵庫の中へと視線を移せば、白い大きな箱が目に入った。

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