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嘘? 本当?(13)
「黒沢のこと、好き。変な、意味って、それは別に、黒沢のこと好きなのが、変とか、えっと、」
「うん、分かってるよ。少し意地悪しちゃったかな、」
伝えたら、気持ちを受け止めてもらえたら、涙が止まらなくなった。みっともないのに、声まで出てしまう。それから、涙に鼻水まで加わって、黒沢の服を汚していく。……色々と最悪だ。
「矢田は意外に泣き虫さんなんだ?」
「……ううっ、」
服を汚してごめんと謝れば、後でキスしてくれたらいいよって、また俺の髪をくしゃくしゃにする。黒沢の大きな手の温もりに安心して、もっと涙が溢れた。止めたいのに、これじゃあ絶対に止まらない。
「矢田、嬉しくて泣いてる?」
「くろさ、わっ、」
「なぁーに? いっぱい甘やかしてあげる」
「好き、す、きっ、」
「ん、俺も。矢田のこと、だーいすき」
俺からの方が大きくて太い矢印を黒沢に向けていると思っていた。でも、同じくらいの気持ちを、黒沢も俺に向けていてくれたんだ。……ううん、俺とは違ってまっすぐ気持ちを伝えてくれた黒沢の気持ちは、俺よりももっと大きいかもしれない。もしそうなら、それはすごく幸せなこと。……って、やっぱり嘘だったって、そんなことないよね?
「黒沢、今日、泊まってもいい?」
「いいよ、一緒に寝よ」
「朝起きたら、また、好きだって言って……、」
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