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いつまで待たせるの?(1)

毎週金曜日は、俺が一週間の中で一番楽しみにしている日である。明日が休みだとか、そんな理由じゃあない。単純なことなのだが、好きな奴に会えるから。 「義明、今日もいつもの店でいいだろ?」 「あぁ」 「じゃあ、先に行ってるわ」 「俺もすぐ行く」 短い会話を済ませ携帯を閉じると、俺は自然と緩む口元を隠しながらいつもの店へと向かった。 義明とは高校からの付き合いなのだけれど、クラスも三年間同じ、部活も同じ、委員会までも同じだった。中学からの付き合いで他に仲良しな奴はいたけれど、ソイツらを抜いてすぐに一番の親友になった。 さすがに大学まで一緒になることはなかったけれど、時々連絡は取り合っていて。大学卒業後は二人とも地元で就職。 場所もけっこう近いってのもあって、頻繁に会えるようになったから、毎週金曜日に会おうと約束して、居酒屋に行って飲みまくって。 それから、交代でどちらかの家に泊まることになっている。 「こんばんはー」 「おっ、(たか)ちゃん、いらっしゃい!」 少しボロくなったドアを開け、暖簾をくぐると、もうすっかり見慣れたおやじさんが人の良い笑顔で俺を迎えてくれた。 「今日も(あき)ちゃんと飲むんだろ? 本当に仲良いなぁ~」 「だって高校からの付き合いですもん。そりゃ仲良いですよ」 「でも大学行って連絡取らなくなる奴だっているんだしさ、すげぇよあんたら。まぁおかげでおじちゃんとこも、毎週必ず一組は客が入るしね」 はっはっはっ、と笑う親父さんにつられて俺も笑う。 そんな俺を見ておやじさんはますます機嫌を良くして、「明ちゃん来るまで食べて待ってな」っておつまみを出してくれた。  

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