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いつまで待たせるの?(4)

◇ 「ふぅ~」 家に帰り着くと、義明がソファーに走って飛び込んだ。よくそんなふうに走る気力が残っているなと感心しながら、ネクタイを緩める。 「義明、寝るのはスーツ脱いでからにしろ。シワになんぞ」 俺はクローゼットを開けるとそこからハンガーを取り出し、ソファーに寝ている義明に向かって投げた。 「つか、何でまた俺ん家? 先週も俺ん家だったじゃん」 俺たちはお互いの家に順番に泊まりに行くようにしていたはずなのに、ここ最近は俺の家ばかりだ。どちらの家に泊まろうがどうでもいいことだけれど、俺にとってはかなりの大問題。 ……俺の家には客用の布団がないからな。 最初に義明が泊まりに来た時、俺は義明にベッドを使うように言って、自分はソファーで寝るつもりでいた。 ところが義明ときたら一緒に寝ればいいだろうと、ケロッとした顔で言ってきて。今さら気を遣う相手ではないだろうと、そういうことらしい。 確かにそれなりの付き合いで、今さら気を遣う相手ではないし、ベッドも少しサイズの大きいものだから心配はないのだけれど、俺は彼に対して恋愛感情を持っている。 なかなかに厳しい状況に戸惑った。 だけど、断るのも怪しいからその日は同じベッドで寝たんだ。 朝起きて隣に寝ている義明の寝顔を見て、ああ次は布団を用意しておこうと誓ったけれど。 帰り際に一言、「もったいねぇから、わざわざ布団とか用意すんなよ」って。

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