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第14話
「……はぁ……はぁ……はぁ……」
苦しさに息が上がるが、こういう時はαの方が余裕なのだろうか……?
「まだ、何もしてないよ?」
愉しそうに嶺岸が笑う。αにはΩの発情の苦しみがどれほどか、わかっていないのだろうか……?
息が上がって体の奥がジンジンと疼く。これが本能なのか、と思うと少し悲しくなった。今、目の前にいるのは子役時代からずっと現役で芸能界を突っ走ってきた、俳優の中でもトップクラスのαだ。
涙目で縋るように嶺岸を見上げてしまった。
手慣れた手つきでスーツを脱がされ下着だけの姿にされる。
嶺岸は、クリーンな俳優だと聞いていた。プライベートでも見つかってないだけで、相当な場数を踏んでるに違いない。そんな人と僕とは雲泥の差で……
「もう、立派に主張してんじゃん」
下着の上からでもわかるそれをピンっと指で弾かれると背がのけぞり短い喘ぎを漏らした。
――こんな……嘘だ……なんで、こんなことに……
チュッと触れるだけのキスをして
「本気で気持ち良くしてあげる。オレを忘れられなくなるような体験しない?」
軽々と僕を持ち上げると、キングサイズのベッドの上に優しく下ろされた。ピンと張った冷たいシーツからは、目の前の男の匂いがする。
「……本当に堪んない。優しくするからね?」
深い深いキスを長い間していた所為で、舌の感覚がおかしく、痺れたようになっていたが、口唇同士が触れ合っていた場所から、嶺岸の唇は本当に優しく、感じるところを的確に撫でるように愛撫をしていく。
「……あぁ……ァん……はぁ……んっ……」
――慣れてる……やっぱり経験が……
そう思うと同時に、それ以上は考えられないほどに躰中を撫でられ舐められ、焦れったい程に天を向いた中心には一切触れずにきた。
やっとたどり着いた口唇はすっぽりと僕を包みキャンディのように舐めまわした……
「……やっ、ァァ……あぁ……あっ、あっ、」
悲鳴のような声を上げてしまうが、こんな甘い声、僕の声じゃない……と思いたい。
けれどΩである限り、抱かれる側の人間には変わりない。僕には生涯経験することのないことだと思っていた。
指が後孔に触れる。触れただけなのに
「もう、びっしょり濡れてる……」
擽るようにそこでぴちゃぴちゃと音を立ててからつぷん、と指先が挿入る。
「……舐めたい」
躰を引っ切り替えされて腰を高くあげられ、自分でも見たことの無い場所を晒すことになる。
生暖かいものが触れてペロリと溢れ出した蜜を舐めとった。1度で舐めきらなかった分を、ジュルジュル音を立てながらゆっくりと後孔の周りから舐めながら舌が浅い場所を出入りしているのさえ気持ちいい。
声がかれるのではないか?と言うほど喘がされてどれくらいの時間が経過してるのだろう…?
また、躰を返されて大きく膝を曲げられた。
舌と指で柔らかくされたそこに熱く固いものが当てられ、ゆっくりと挿入されてくる。
「あっ、あっ、あっ、あっ、あぁん」
痛いどころか、粘膜は喜んで絡みつくように蜜路を広げては招き入れている。本当にゆっくりと負担のないように、としてくれているのだろう……
「……全部入った……」
耳朶に囁く声も快楽に掠れていた。
馴染むのを待つように、脇腹を撫でたり、キスをしたり、休むことをしない。
「動くよ?」
と言うまで、数分〜10分程の時間、ドクドクと脈打つ逞しいペニスを刺激を待つ内壁が期待して、収縮を繰り返している。
ゆっくりと抜き差しが始まり、徐々にその勢いを増していく。最初から甘かったそれが、一層高く甘ったるい声が喉の奥からつき上げた。
――こんな経験したら……止まらなくなる……
泣きそうな思いとは裏腹に、どんどん早くなっていく腰の動きに耐えられず、
「やっ、やっ、出るっ!!やめっ」
「勢いよく吹き上げろ!」
「あっ、あっ、あっ、あーーーーーーっ」
子種のない白濁が吹き上がる。
「……イッ……てる……ゃん……」
「……はぁ、よく出来ました……よく締まってて……気持ちいいよ?……」
と腰を振り続けている。
「イッてるからァァァ〜……いやぁ……」
「……それが気持ちいいんでしょ?僕も気持ちよくて、そろそろ限界……躰の相性もピッタリだね。キスしながらイカせて?」
快楽に背を仰け反らせながらも、そっと背中に届くか届かないか、の位置に回された手にそれを肯定を受け取り腰の動きを早めた。
躰の中に熱い飛沫をゆっくりと受けながら、それを30分も受け続けなければならなくなった。
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