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第173話

――キスされてる……すごい気持ちいい…… 熱に浮かされているような状態の意識の中、さっき感じた恐怖は欠片ほども残っていない。 相手から感じるフェロモンの匂いがすごくいい匂いだ。嶺岸の時とは全然違う。この匂いが欲しくてたまらない。この匂いを嗅ぐたびに躰の奥が疼いて仕方ない。早くこの疼きをどうにかして欲しい。足が熱い。デニムも下着もキツくて邪魔だ……ここはベッドの上だし脱いでも問題ない。ベッド?自分の部屋?ううん、違う、どこかのベッド。ここはどこだろう……? でも、この目の前の人のベッドならいいや。ベッドからもいい匂いがする。だから大丈夫。 「自分から脱いじゃうなんて大胆だね」 優しい声色……大胆なのかな?でも、邪魔なんだ。キツいし苦しいし…… 「……キツ……苦し……」 なんでこんなに息切れしてんだろ。痛いほど勃起してる。こんなことに意味はないのに……僕は『産む』方で『作る』方ではない。でも、セックスの経験はなくて…… 肌に触れて撫でる手のひらが気持ちいい。キスが気持ち良すぎて離れる口唇を追ってしまう。 「キスより気持ちいいことしよ?あとでもキスはたくさんできるから。したくない?」 優しい声なのに意地悪な聞き方をする。 「……したい。良くしてくれるの?」 「してあげるよ?気持ちいいの好きでしょ?」 「……ん……好き……」 口唇が、首筋に触れて舌が這う。弱い皮膚を擽られるとくすぐったい気持ちと快感が混ざったような気持ちよさがあった。 「……んっ、あっ……気持ち……いい……」 ブワッとフェロモンが出て息苦しいほどに自分の匂いが溢れる。すっとそれを吸い込んだ相手は胸の飾りの突起を弄り、反対側の首筋にも口唇を寄せて 「……本当に、たまんない……」 女性的な胸の膨らみがある訳ではないのに、その尖端にしゃぶりつく。ジンッと痺れるような愉悦が背筋を伝って脳を突きぬけていくような感覚。舌が固く、柔らかく、時に甘噛みされ、刺激してくると声が抑えられない。 「……ヤッ、あぁ、……ん、はぁ……」 「……気持ちいいの?」 「……ん……気持ち……いぃ……」 「もっと気持ちいいとこ、触る?」 「……もっと?……うん……」 「1回目はそろそろ僕もぶっ飛びそうだからなるべく優しくできるように頑張るよ。何回できるかな……たくさん気持ちいいことしたい?」 「……うん、気持ち……いぃ……こと、したい」 「素直だね、可愛いよ」 天をむくペニスを口の中に含んで扱かれるとすぐに弾けてしまいそうな快感が広がる。 「やっ……強い……!!」 「これから繋がるとこもびっしょりだよ……あれ?悠真、初めて?」 「……ん、初めて。でも中がむず痒いの……」 「それは……つらいね……僕が擦って気持ち良くしてあげるね」 「……ん、みやびさん……に、気持ち……ぃく、して欲しい」 「……賢祐……賢祐だよ?悠真」 腰を上げてみせるように、後孔を舐めると首を反らして声を上げる。 「……悠真の……甘いね」 「……はぁん、あっ……ヤッ……」 「やじゃないだろ?気持ちいいんだろ?」 「きも……ちぃ……けど……はず……かし……」 「……僕が一生愛していく場所だよ?悠真も愛されたい?」 「……愛されたい……けんゆーさんに、愛されたい……ずっと、愛して……くれるの?」 「『運命の番』だからね。愛してあげるよ?」 「……『運命の番』……逢えたんだ……」 「……僕もびっくりだよ?君みたいな可愛い子で嬉しいよ。」 話しながらも舌で孔を解していく。舌で中を舐めると気持ち良さそうに声を上げる。 「あぁぁぁん、きも……ちぃ……あぁぁぁ……」 舌を入れた感じ中は柔らかそうだ。指を入れて見ると中はほどよく熟れていて気持ち良さそうだ。少し広げるだけにして、孔の周りをペニスで擦って焦らすように濡らしていく。 「……あ……舐めたい……」 「……それは次ね。今はすぐ入れて愛したい」 先端で擦るといい声で啼いた。

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