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第174話

先端を押し付けグッと中に挿入ろうとすると、少しの反発はあったものの、先っぽが挿入ってしまえばその先は柔らかく、そして熱い。 処女と言うだけあって、狭さは感じるがそれ以上に絡みついてくる内壁は想像以上に気持ちいい。ゆっくりと押し広げていく感覚はどれくらいぶりだろう。最初の発情期で襲われてしまうΩが多い中で、これまで処女でいた方が珍しい。年齢はたぶん、高校を卒業したくらい。発情期や自分の体のことをよくわかっている証拠だと思われた。 処女だということはまだまだ自分色に染め上げられる純白であるということだ。しかも、チョーカーをつけずに歩いていた為、確実に番える状態だ。さっきの飛びっぷりを見ても、頼めば簡単にチョーカーは外しただろう。 『運命の番』なんて都市伝説だと思っていた。絶対数少ないΩの中から、そんな人物が現れる可能性はかなり低い。それがさらに処女だったと聞けば、これ以上誰かに触らせる気もなくなる。なけなしの理性がどこまで持つか、なんてものは自分にも分からない未知の世界だ。 それだけ強く惹かれ合うのが『運命の番』なのだと知った。理性を手放せば、きっと間違いなく自分はうなじを噛んで番にするだろう。 総動員させてる理性も焼き切れる寸前だ。全てを埋め込んで、馴染むのを待ってる間も、もどかしいのか腰を揺らして煽ってくる。自分も決して年齢は食ってる方ではないが、自分より若い妻になる相手は煽り上手なようだ。 身長も高くない小柄で、顔立ちもまだ少年のあどけなさを残した目が大きい可愛らしい男の子。性に対してだらしない、と言われる自分にはもったいないくらいの上物だ。店に出しても1番人気になれそうだけど、これは僕のものだ。誰にも触らせないし、僕だけが愛でる唯一の人でなくてはダメだ。 自分で腰を揺らして小さく声を上げてる姿が可愛い。 ――もう、ダメだ、これ以上の我慢は出来そうにない。 「……悠真のむず痒いところ、擦って気持ちよくしてあげる。だから、悠真も僕のこと気持ちよくしてね。これからたくさん愛し合おうね。」 「……うん、たくさん、っはぁ……ん、」 そのまま腰を引いて1回突き上げたところで記憶が途切れた。 そのまま獣のように求めて啼かせて、キスをして腰は休むことなく、悠真を突きまくった。 「あぁぁぁ……はぁ……んっっ、いぃ……けん……うぅ……すき……気持ち……いぃ……」 「……僕も……気持ち、いいよ……愛し……てる……僕のものだ……僕の……」 何度も『好き』と『愛してる』を繰り返しながら激しく乱れた。初めてだと言うのに、ただひたすらに中を擦り上げて、声を上げさせて、途中、何度も悠真は白濁を吹き上げたけれど、賢祐は止まらずひたすらに求めた。 「……やっ、もう無理……イク……イク……」 「……違うよ?悠真、イかせて?だろ?」 許可なくイクことを禁じるように、囁かれ教えこまれるように耳元で教える。 「けんゆーさ……イかせて……イきた……おね……が……イかせて……」 「……よく出来ました。いい子だね。一緒にイこうか……」 腰を上げて後ろから突くようにガンガンとイけるように激しい突き上げをすると断続的な悲鳴のような声を上げて、その時を迎えようとしていた。イッた時の締めつけに抗わず、その精を打ち付けるように吐き出すブルっと躰が震えゆっくりとその精を出し始めた。2回目の並が来た時吐き出すのと同時にうなじに歯を立てた。 「……あぁぁぁ!!」 精を受け止めるのと、噛まれた甘美で悠真が声を上げる。賢祐の方にも甘い痺れが走る。 ――番になるってだけでこんなに気持ちいいものなのか?相手が悠真だからか? 「……悠真……気持ちいいの?」 「……なに?今の……気持ちいいなんてもんじゃないよ?すごい幸せな気持ち……なった……」 「……僕もだよ。悠真が僕のものになってすごい幸せな気持ち。愛してるよ……悠真……」 またトプっと中に注ぎ込むと「あぁ!!」と声を上げてビクッと躰が揺れる。 精液を注がれることにも感じてしまうΩ。αとΩでしか体験できない『発情』の印。 このまま妊娠してしまえばいいのに。 閉じ込めておきたい、いつでも傍に起きたい、ずっと愛していたい。 こんな気持ちを忘れているなんて、嶺岸も可哀想な男だ、と思う。記憶喪失なのは知っていた。愛するΩは尽くしに尽くしてると聞く。 時間はたっぷりあるが、まずは何故、嶺岸のパートナーと間違えたのか、から聞いていこう。 何故、接点があるのか。大事な妻を嶺岸や白石の手に渡らせる訳にはいかない。

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