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 毎月訪れるカオリの命日に、オキジョーは毎回悲しそうな顔をした。  それはカオリを亡くした中学生から、大人になった今でもずっとだ。  オレは命日がくると毎回、オキジョーを抱き締めた。あの時みたいに、少しでも元気になってほしいかったからだ。  そして、高校生になったある日。薄々感じていた問題を、オレは直視してみた。  ──抱き締めたところで、オキジョーの心は晴れないのではないか。……と。  だからオレは、オレなりに色々考えた。『どうしたらオキジョーをもっと元気にしてやれるか』ってな。  考えた末に思い付いた答えのバカさ加減ったら、笑っちまうぜ?  ──男なんて、セックスしてる間は余計なことを考えないだろう。……それが、オレの出した答えだ。  そしてその答えはきっとまた、誤答だったのだろう。何度も何度もバカなことを繰り返しているオレは、さすがに学習をした。  しかし、発言を撤回しない。……だからこそオレは、未だにバカなままなのだ。 「メイ……っ」  オキジョーの目に、オレが映った。……気がする。  晩飯の鍋を作るよりも先に寝室へ向かったオレたちは、裸になって互いの体温を感じていた。 「は、あ……ッ、オキ、ジョ……ッ」  ダッサイくらい情けない声を漏らすと、オキジョーがオレの手を握る。その手は少しだけ、汗ばんでいた。 「メイ……痛い、ですか?」  長ったらしく指でほぐされたとは言え、男のケツなんかにオキジョーのデカいブツを突っ込まれるなんてのは軽い拷問だ。  けど、月に一回はセックスしてるわけだし。……ただ痛いってわけじゃ、ない。 「へ、いき……ッ」 「やせ我慢はしないでください。……一度、抜きましょうか?」 「ッゼ……続けろ、ダボ……ッ」  命日に、カオリのことを一瞬でも忘れるための儀式だ。そこに優しさなんて必要ないし、ましてやオレの体を気遣う必要もない。  だけどオキジョーは、毎回優しく抱いてくる。 「メイ……」  オレの手を握る力が増す。それがなんだか、くすぐったい。  バカヤロウが。オレはオキジョーの恋人じゃねぇんだぞ。ウザってぇから、優しくすんなよ。  ……毎度、そう思うくせに。たった一度も口にできていない言葉を、胸の中で吐き捨てる。 「動けよ、オキジョー……ッ」  握られた手に力を籠めた。  それを合図に、オキジョーがゆっくりと腰を引く。 「く、っ。……はッ、あ……ッ」  ズルズルとブツを引き抜かれると、圧迫感が薄れて脱力する。  ケツの内側を擦られる感覚は何度受けても慣れないけど、特段嫌いじゃない。慣れと言うものは、なんとも恐ろしいものだ。  引き抜きかけたブツを、今度は挿れるために。オキジョーはゆっくりと、腰を落としていく。 「ひっ、ぃ……あッ」 「メイ。背中に、手を回してください」 「あ、あぁ……んッ」  繋がれた手を引っ張られ、オキジョーの背に回すように添えさせられた。それは逆の手も然りだ。  立派に成長したオキジョーの背中は、広い。怖いことをされているわけじゃないのに……しがみつくと、妙に安心してしまうほどだ。 「ふっ、ん……あ、あッ」  ゆっくりとブツが抜かれ、またゆっくりと挿れられる。オレを気遣うようにノロかったブツの抜き差しが、次第に速度を上げていった。

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