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第8話

永遠side ピアノを弾き終わると、三日月さんは僕に後ろから抱きつきながら耳元で『…一目惚れって信じる?』って聞いてくる…。思ったことを言うと、少し寂しそう…。 僕に一目惚れしたから抱かせてと言われたから、好きにしていいって言った。すごく冷たくて怖い目をしてベットに押し倒され、恐怖で身体が震える…。すごく怖い…。カタカタ震えていると優しく頬を撫でられて目を閉じた。 「…」 「…っ」 優しいキス…。少し冷たく柔らかな唇。目を開けたら優しい目になっててホッとして口を少し開くと舌が入ってきて、息を止める…。長いキスに息が苦しくなる。 服を脱がされ、僕の肌を撫で上げていく手…。細く綺麗な指が悪戯に性感を高めていく…。初めての感覚に逃げたくなる…。何か手に取ると僕の後孔に指が入ってきて、初めての感覚に気持ち悪くなる…。目を瞑り不快感に耐えていると声をかけられた…。 「…痛かった?」 「…んん、……なに、してるの…ですか」 「慣らしてるんだよ…。急にははいらないでしょ?」 「…ううん、はいる、はいるから…。早く入れて……早く…」 慣らすってなに…?今までそんなことされた記憶はない…。そんな事しなくても入るから、早く挿れて終わらせてほしい。不快感に、早く終わってと気持ちが焦っていく… 痛くてもいい。痛いのは嫌いだけど、三年間痛みに慣らされた僕の体なら快楽として変換しつけとることが出来るから、早くしてほしい……。この不快感が続くのなら、痛い方がマシだと…、そう思った……。 「ちゃんと慣らしてから入れると自慰とは違う快楽を感じられるよ…。だから、少しだけ我慢して…?」 「じぃ…?なに、それ…わからなっ……。うっ…。気持ち…悪ぃ……。早く挿れて、終わらせてぇ……」 「……自慰、知らないの?」 「やっ、…わからなっ……わか、な……。やだっ、やっ……ゆび、いやっ……いやぁ…………」 『じい』とか、よくわからない言葉が出てきて混乱した。気持ちいいとか分からない。セックスは痛いものだから、好きじゃない。最近では痛みが愛おしく感じて、気持ち良くなれるようになったけど…。 つい最近まで、痛みの方が強くて、気持ち良さなんて無かった。不快感が消えなくて必死に違うことを考えていた。急に、ビリビリッと、初めての刺激が体を駆け抜けて気が狂いそうだった…。 「いやぁ!!!!やめてっ!やっ!!!やだっ!!!」 「……」 「……はぁ…はぁ…」 「…ここ?」 「ひぃっ!……やっ、ヤダっ!!やめてっ……許して、そこっ!……そこっ!やっ!!!」 ゾクゾクしたものが体を走り、頭が真っ白になって呼吸の仕方すら分からなくなりパニックになった…。息がうまく出来なくてパクパクと口を開けていると、空気が流れ込んできた…… 「ふぅー…。落ち着いて…。大丈夫だから、僕と同じように呼吸して…」 「……はぁ…はぁ…はぁ……はぁ…」 「落ち着いた…?ごめんね。刺激が強かったね」 「…はぁ…はぁ……」 「解れてきたから、僕の挿れるよ」 「…んっ」 ゆっくり入ってくるそれは指とは違って圧迫感がある…。苦しいけど痛く無かった……。最奥の壁をコツっと突かれると、首が後ろにそった…。刺激にびっくりしたのだ…。 僕の呼吸が落ち着くまで動くことはしなかった…。さっき狂いそうになった場所を優しく刺激しながら動きだすと、ゾワゾワして、ゾクゾクッと何かが湧き上がる…。 「やっ、やぁ……あっ……あぁ…やっ……。やらっ…へん、ぼく……へんっ……やっ…いやっ……」 「気持ちぃ…?」 「……んん、やっ、…これっ、やっ……あっ、あっ、……あぁっ、…はぁ…はぁ……あっ…はぁ……。んぁっ……んっ、んんっ……あっ……あぁっ…あっ………」 「…気持ちぃね……気持ちぃって、言ってごらん…」 「……やっ、きもちぃ……きもちぃっ?……あっ、だめ、これ、……だめっ、へん、なる…。あ、たま……へん、なるぅっ………!あぁっ!!」 気持ちぃと言った途端、ゾクゾクッとしたものが全て快楽だと理解した……。初めての快楽に心も体もバラバラになっていく気がして怖くなった…。三日月さんに向けて手を伸ばすと、理解してくれたのか、ギュッと抱きしめられ…。 その暖かさに安心した…。三日月さんの優しく甘い金木犀の香りにホッとする…。深く口づけされ、呼吸を乱される…… 「はぁ…はぁ………あっ、あぁ…」 「舌、僕と同じようにして…。もっと気持ち良くなれるよ…」 「…っ、……んっ、……っ…っ………はぁ…んっ……」 「…っ………っ…んむっ………はっ…」 僕が苦しくならないように、呼吸出来るように優しくしてくれた。「鼻で息しな」とちょっと笑われたりしたけど、うまく出来たら褒めてくれる…。それが、すごく…嬉しかった……。 快楽に慣れてくると少し激しくされて、また少し怖くなる…。僕に合わせるようにゆっくり進めてくれて、セックスは気もいいものだと少しずつ理解していく……。 「激しくしていい……?」 「……んっ、……シて…」 「そのまま、力抜いててね…。今よりもっと、気持ち良くしてあげる…」 「……あっ、あっ……イきそ………んぁっ…んんっ………あっあっ…あっ………っーーー!!!」 イッたのに、止まってくれない…。イかタイミングがずれてしまったみたいで、三日月さんがイクまで、快楽に深く溺れ………。終わる頃には、息も絶え絶えだった… 「……はぁ…はぁ…。きもち、かった………。ど、しよ………ねむ、た、………」 「寝ていいよ。後は僕がやっとく…」 「あり、……がと………ぃ………ま…」 「うん。おやすみ」 「…おや、………み…なさ………ぃ」 目を閉じるとすぐに夢の世界へと引き摺り込まれた…。初めての快楽に僕の身体は耐えられず、疲れ切ってしまった……。

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