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ふと意識が浮上した。う、と呻きながら身体を起こす。
人の声がすると思ったら、テレビをつけっぱなしで居眠りしてしまっていたらしい。深夜のテレビショッピングが流れていた。
ソファの下で崩れるような状態で座っていて、テーブルには缶ビールが数本並んでいる。佐山が作ったすき焼きですっかりテンションが上がり、ビールも飲み始めたのだ。
「あー……リモコン……」
テレビ消してベッドへ行こう、とまだぼんやりした思考で考えつく。片付けは明日でいいだろう。休みだし。
立ち上がろうとしたが、足が重くて動けない。不思議だと首を傾げながら見下ろす。
「……コイツ」
佐山が藍季の膝に頭をのせてすやすやと寝息を立てていた。いわゆる膝枕状態である。なにしてんだコイツ。呆れて溜息が出る。
そういえば、一人で眠れない奴だった。藍季が沈没してしまったのでベッドに行けなかったのだろう。にしても、人の膝を遠慮なく使うのはどうなのか。
「おい佐山、起きろ。ベッド行くぞ」
肩を揺さぶる。佐山はうーんと唸り、瞼を持ち上げた。
「あー、あい……起きた?」
「起きた?じゃねーよ。人の膝勝手に使ってんじゃねーよ」
「ごめん」
ふにゃりと笑い、佐山は上体を起こした。くあ、と欠伸をする。佐山の視線はそのままさっきまで自分が頭を置いていた場所へ向かった。そして、目を見開く。
「……あい」
「んだよ」
「勃起してる」
はっ!?と慌てて見下ろす。佐山の指摘通り、藍季の股間は硬く膨れていた。
「あーくそ……マジかよ……」
疲れていたのと、佐山が来てから抜く機会を見失っていたのとで限界だったのだろう。仕方ないと言えば仕方ないが、それを佐山に見られたのが最悪である。
「トイレ行ってくるからお前は先ベッド行ってろ」
佐山に背を向けるように立ち上がろうとする。しかし、それは佐山によって阻まれた。
佐山の手が藍季の腕を掴む。
「……佐山?」
「あい、抜いたげよっか?」
「っ、はぁああ!?」
何を言い出すのだこの男は!?
佐山はのそのそと藍季の足の傍に寄り、頭を股の間へ埋めた。
歯でファスナーをかちりと噛み、じい、とジッパーを降ろす。
「あ、んむ……」
佐山は躊躇いなく下着の上から唇で藍季のそこを挟み込んだ。
はむはむと優しく挟み込まれているうちに、じんじんと身体が熱くなっていく。
「っ……佐山、マジでやめろ……!」
「なんで?あい気持ちよさそうだよ?」
佐山は下着を指で引っ掛け、ずるっとずり下げた。すっかり大きくなった藍季自身が飛び出す。息子のあまりにも元気な姿に、羞恥で顔が熱くなる。
「おい!見んなよ!」
「見なかったらできないよ」
佐山は藍季の言葉は無視し、自身をそっと掴んだ。すりすりと竿を撫でながら、佐山は先端をかぽりと咥えた。
「っう」
生あたたかい口の中の感触に、背筋がぞわぞわする。佐山は手で扱きながら舌でぐにぐにと先端を弄った。
こんなの、女の子にもしてもらったことがない。ていうか、佐山があまりに慣れているので微妙な気分にすらなってきた。今までの彼氏にもこういうことをしてきたのだろうか。
「ん……ふ、う……」
ぺろぺろと舐めている佐山の頬も少し紅潮してきているように見えた。心なしか目がうっとりしているように見える。
佐山は座り直し、口を開けてぐっと喉奥まで藍季のものを埋め込んでいく。頭を上下に動かし、ストロークする。
「んっ、う……ん、ん……っ」
小さく声が漏れている。さすがにちょっと苦しいのか、涙目になっていた。そんな思いをしてまでやることはないだろ、と思うのだが、どこか恍惚とした表情の佐山を止めることができなかった。それに、単純に藍季も気持ちよかった。
じゅぽじゅぽと淫らな音を立てながら何度も佐山の喉を突く。
「っ、も、イきそ……っ佐山、離れろ」
佐山に顔を離すように言うが、佐山は咥えるのを止めようとしない。無心で頭を揺らす。
「あ、あ……っ、出るから、マジで……!」
このままでは佐山の口の中に射精してしまう。佐山の頭を掴むが、快感のせいでうまく力が入らない。
「ぁ、はっ……出る、でる……っ、ちい……!」
ドクッと下半身が弾けた。藍季の放った精液を佐山は口で受け止めた。苦しげにはふはふと呼吸しながら佐山は藍季?が出し切るのを待つ。
「……飲むなよ」
「…………」
「うわ!飲んだな!?」
喉を上下させる佐山は、口元を手の甲でぐいと拭った。
「……ご奉仕だし、飲むくらいはしないと」
「これご奉仕だったのか?」
「住ませてもらってるわけだし」
佐山はいつも通り、ほわほわした顔つきに戻っていた。
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