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闇 聖誕祭
闇 聖誕祭
イブトーレスが眠るまでの記憶にあるのは、
狩りに出た自分に傷ついた牡鹿が助けを求め、
群がる猛禽から救ってやると、
傷ついた獣は毛皮を纏った逞しい漢だった。
興味を持った末にその漢を狩り用の別邸に連れて帰る。
食事を出すと床に座り手掴みで食べる。チョコレートリキュールを味わいながらその漢を観察するうちに、ふと、
この獣を調教しては?という欲望に駆られ地下の石楼の犬小屋にその漢を監禁した。
そこまでは、覚えている……
「 ああ!」
握り込んだ玉を今度は慰めるように
コロコロと揉まれ、
血流が反り返った竿に流れ込むと、
ふるふると震える蜜壺の辺りに
固い何かが押し入り始める。
煽動する孔の縁に、
パンティーの傍から差し込まれた二本の指の腹からヌルッとしたなにかを丹念に塗られ、
秘部に与えられた痺れるような刺激と鼻腔に漂ってくる甘く蕩けるような匂いに悶えると、
入り込むところではない孔に、
ギチギチとレースを圧迫した、もの。
「 い、いや、なに?
あ、だめだ!
あ、あ、ヒ! 」
やがて、
王冠の座を支える百合の紋の雄蕊を飾った股座のレースは無残に破れ、
グイッとイブトーレスの秘部を侵したのは、
「 ふふ、おもいだしたか?
この、ちょこれーととまぜたびやくは、
おたがいが、
よくたのしむためのものだっただろう?
また、
たっぷりとあたえてやろう 。
せめて、
くうまえには
おまえは
さきにきをやって、
てんへのぼれるように 」
「 いやだ!
天なんて……
くわれるって
いや……
いやぁ 」
イブトーレスの腹の中に入っていくそれは、
大蛇のように鎌首を跨げた男の一物。
その黒ずんだ鎌首はすでにイブトーレスの胎内に入り込み、
そこに隙間もなく居座っていた。
「 ぁあ、く、苦しい……きつ、い、ぁ」
グジュグジュと押し込まれるたびに立ち上がる匂いは、
昨晩しこたま飲んだ
チョコレートリキュールの香りにも似て、
その中にあるわずかな異臭に
快感で歪む脳は、
ある記憶を辿る。
この匂い……
あぁ、子どものころだ、
確か、
マンドラゴラの花の赤い実。
そして太い猛々しいもので、
まだ、自慰も知らぬころ
あぁ!
「 くそ、いいぞ、からみついて、
……グッ 」
熟れきった孔の具合の良さに漢は歯を食いしばる。
「 あ、ああ 」
侵したの相手の腹の中がうねる。
坑道を犯す巨根を
甘美なせん動が絞り上げる。
漢はもう片方の手で乳首の先を摘むと、
予想外に優しい指先でその蕾を捩り叩く、
昔、記憶させた快楽を思い出させるように……
今や成人となり、
しなやかな体躯を、
香ばしい淫婦のように、
うねらせ、
上がる息に、
顎を上げ美しい顔を喘がせ、
仰反るイブトーレス。
その秘部に陰毛這える根本まで下腹を押しつけ、
拓けきった下腿から組み敷く相手をのぞんだ漢は、
はじめてこの組み敷いた金髪の青年の美しさをその視界に入れた。
「 くそ
くってやる!
そのまえに、
おい、おれのなをしっているか? 」
完全に一体となって登り詰めていく
肢体に引きずられながら、
己の下、うねるように襲う快感に跳ねる身体を味わい、
ねっとりと舐るように耳元でそれを告げる。
「 しっているか?」
かかる息吹さえ耐えがたい刺激になるのか、
何度も金糸のような髪を振りイヤイヤをするイブトーレスに、
逞しく身体と艶のある鞣革のような肌を持つ漢はその名を告げた。
「 おれのなは
unko
どれいのようにこのくにに
つれてこられた
インカのおうのまつえい
unkoだ 」
東洋の珠のような輝くばかりの白い肌。
媚薬の匂いを嗅ぐわせる場所、
そこは青年男爵の秘所。
まばゆき白さと深い茶色に彩られた
寝床の上の麗しい青年の裸体。
香りたつようなその肉体、
そしてその唯一男を象徴するその男根を、
復讐のために、
食おうとしたunko。
艶めき熱った唇から
「 なんで?
ぁ、、あ、
あの時、
あ、
小屋の中で 」
「 おもいだしたか?
おまえはなんかいも、
おれにここをゆだねた
あのひのことを 」
続く
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