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21.バツなし三十路男、恋に堕ちる?【バクバクが止まらない~♥編】

━━━☞・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 最初はこの部分からはじまる予定でした。 「バツなし~」は最初の設定だとこのエピソードから始まって、3話ぐらいで完結の短いお話の予定でしたw 澪央くんはお酒の席で急接近し、一夜限りの関係で終わるという儚い関係のチョイ役で、序盤に登場するおじさんは出す予定はありませんでした。なのであのシチュエーションを澪央くんがやっていたかもしれないわけです。それは見たくない(ーー;) なんか最終話が近いみたいな空気出してますが・・・ まだ続きますwwww ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・━━━☞  ノンケが同性に恋愛感情を持つことはあるのか? セクシャリティは高校生ぐらいまでに決まるらしい。そして一度決まったら変わることはないという。例外としてはよほど女顔の男だったり、すげえイケメン顔の女だったらまれにそういうことがなくもないとかなんとか。だがしかし……  例外は発生した。マンガみたいな話が自分の身に発生した。性の対象でイメージできなければ違うという。だが今オレはそれがイメージできそうな予感。オレがホモになったわけじゃない。おっさんとエロいことしちゃったし、ウケこそないが男同士でセックスしちゃったりなんか微妙な立ち位置にはいるが、恋愛感情と性の対象のセットで好きは女の時と一緒だ。そしてその感情は他の男を見ても生まれない。そう、だから……  う~~ん、この感情は初めての反応だった。さっきの男の人のことが気になって仕方なくなる。意識がそこにぐいーーんと吸い寄せられていく。あんまり見てると変な奴だと思われるぞオレ! 服を見つつ、チラリと覗き見るオレ。あ、こっち来た!? 別の棚を見にあの男性が移動してきた。心臓がバクバク言っている。『YOU、言っちゃいなよ?』『声かけちゃいなよ~』『男はナンパしてなんぼでっせぇ~? ケケケ……』うるさいオレの心臓しゃべるな! やばいぞ緊張しすぎて頭が変になる~。落ち着けオレ! オレの心臓っっ!   足に馴染んで爪先が少し反り返った革靴が、動きに合わせて小さく床を鳴らす。ほどよく身体にフィットしたスラックスはピシッとアイロンがけしてある。第二ボタンまで開けたYシャツの襟の下から覗いている首は太くて男らしい。なにかスポーツでもやって身体を鍛えているのか、体幹がしっかりしていて動きにブレが見られない。胸板も厚く、歩き方にも威風堂々たる自信のようなものが窺がえた。か、カッコイイ~……  そのライオンのオスみたいな風格に、惚れ惚れしてしまうオレ。近くで見たらすんごいイケメンだった。背は高くておしゃれでモデルみたいにかっこええ~~!  澪央くんもスタイルよかったけど、全然タイプが違う。澪央くんはもっと細くて、かわいい年下の綺麗系イケメンって感じだったけど、こっちはもっと大人で仕事ができそうなダンディ系イケメン。オレの知り合いにはいないタイプだ。ダンディってこういう人のためにある言葉なんだろうなあと心から思うオレだった。  うおお、友達になりてえ~  神よ~なんかきっかけくれ~  愛に飢えた三十路に愛を  ギブミーランデブ~  オレは頭の中ではそんなことを考えながら、男性が見ていたTシャツをついガン見していた。それに気付いた男性が「クスッ」とする。  あ、笑った。か、かわいい~! とオレは赤面する。照れて熱くなった頬を手で包むオレだった。  翌週の土曜、オレはまたその店に行った。前回服を買うどころではなかったので、買いそびれてしまったのだ。さらにあれからラインが来て、社会人になってからも繋がりのある数少ない友人二人と川でBBQしようということになり、その時に着ていくための服も買いたかったので丁度よかったこともある。  この前見たシャツでいっかな。あ、あった! これこれ。オレは目当ての服を見付けるとさっそくそれが置かれた棚の前に向かった。  あ……  そこに先客がいた。あの男性だった。ライオンさん。  目が合うとやわらかく微笑された。  え、うそ……なんで嬉しい??  笑顔を向けられ思わず胸がときめくオレ。ただただ目を見張ってドギマギ状態……ってオレは女子かっ!?  てかなにそれ? なにその予想だにしないやさしいスマイル攻撃? オレ殺す気?  まだ見てるけどなんで? もしかしてオレ変? 顔になんか付いてるのかな……うそ、どうしよう。鏡で顔を確認するも異常なし。なんだったんだろう? と振り返るとまたにっこりされた。  やばい、好きになっちゃうぅぅ~~!!?  帰宅するとオレはさっそく、これまでの――先週から今日までにあった事の経緯をラインで海理に報告した。 かいり『へ~声かけてみれば?』 ろく 『え、無理だよ~恥ずかしいじゃん』 かいり『乙女かっ!』 ろく 『てか相手は男だぞ? 声なんかかけたら変な奴だと思われそう(;´Д`)』 かいり『なんて声かけるつもりだよw』    『どこかで会いましたっけ? とかなら平気でしょ』 ろく 『なるほど! その手があったか( ̄▽ ̄)』 かいり『成功を祈る』 ろく 『らじゃー('◇')ゞ』  そしてオレはまた例の店へ向かうのだった。  つづくww

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