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4.お兄ちゃん-1

「あ~おい♪」 「蒼空可愛い」 「蒼空。蒼空」 昨日から瑛良のわんこ化が半端ない。 酔って暴走した瑛良にグチャグチャにされた後、反省する姿が可愛かったからと簡単に許して以来、瑛良が以前よりも甘えたになった。 前も二人っきりの時は甘えてきてたんだけど、人前では我慢してくれてたんだよね。 だけどなんかどっか吹っ切れちゃったみたいに、二人っきりじゃない時迄甘えてくる様になった。 尚且つ前より甘え度が上がってる。 うん、まぁ、可愛いから良いんだが、激しく周りが引いてるから、ちょっと自重して頂きたい。 爽やかイケメンキャラ何処行った? かなり恥ずかしいし人前では少し止めて欲しい。 「ねぇ蒼空。瑛良と何かあった?」 ……ぅわ。近いよ顔。 「何かって?」 「いや、明らかテンションとか何もかも全てがオカシイだろ?今日の瑛良」 やっぱそう思いますよねぇ。 燈夜色々鋭いからなんか勘づいたかな? 基本俺達三人の間で隠し事はしない。 何かあったら絶対言うんだけど、流石に昨日のは有り得ないし、恥ずかし過ぎて言えない。 瑛良がビール飲んで酔ったとか言ったら未成年の飲酒を怒りそうだし。 酷い事されたにも関わらず簡単に許した俺もお酒のせいとはいえ暴走した瑛良も怒られる。 俺にとって瑛良がわんこなら、燈夜はお兄ちゃん的存在だ。 困った時は頼りになるが、悪い事とかした時は怒られるから少し怖い。 「ねぇ、何があった?教えて、蒼空」 優しい口調だけど、目が早く言えよと訴えている。 ヤバイ、言いにくい。 いや、秘密にするつもりはないんだが流石に昨日のは事故みたいなもんだし、でも燈夜に隠し事する気はないし。 う~ん。 「なぁ~に百面相してんの。言って?それとも此処じゃ言えない?」 此処とは教室だ。 皆瑛良の急変が激しく気になるみたいでチラチラ俺達の方を見ている。 会話を聞いてる人も居そうだ。 うん、此処じゃあ言えないな。 「屋上行こ?」 小声で燈夜に耳打ちし立ち上がる。 二人で教室を出ると、わんわん嬉しそうに尻尾振りながら瑛良も着いてきた。 「………………」 「なぁ、ほんっと何?どうした瑛良」 呆れた眼差しで瑛良を見る燈夜。 対して俺はスッゴク引き攣っている。 理由は屋上着いて人が余り来ない所に座ったんだけど、瑛良が俺を抱き締める形で座ったからだ。 今俺お父さん座りした瑛良の上に横向きに抱き上げられる様な形で抱っこされてます。 えっと、ちょっとコレ赤ちゃんを抱っこしてるみたいな感じになってね? 俺もう高校生なんだが。 園児や小学校の低学年迄ならまぁ許せるが、この年ですんのはちょっと視界の暴力じゃね? 尚且つ 「ちょっ、瑛良?」 チュッ、チュッ。首筋にちゅうしてるし。 チュゥゥってヤラシイ音立てて吸うなバカ。 うん、ないわぁ~。こりゃあ燈夜もドン引きして当然だ。 「蒼空可愛い」 唇に近付く瑛良の口。 あっ、キスされる。目を閉じた瞬間 「無視すんな」 グイッ。燈夜に持ち上げられた。 オイ、お前等何簡単に人を抱き上げたり持ち上げたりしてんだよ。 俺は人形でもぬいぐるみでもお前等のオモチャでもないぞ? 少しむぅって来て膨れたら 「ぇ?…ん、んんん???」 何故か燈夜にキスされた。 「ちょ~、もぉ、何するんだよ燈夜」 いや、瑛良ソレ俺のセリフ。 「今俺が先にしようとしてたのに」 あっ、やっぱしようとしてたんですね。 「移動したんだから教えて?昨日何があったか」 「やっぱ言わなきゃダメ?」 「ダメじゃないけど、知りたい。何があったか知りたいんだ」 う~。 言いにくくてチラリ瑛良を見ると 「え?昨日?」 瑛良が答えた。 「そう、昨日。俺が帰った後何があった?」 質問の矛先が瑛良に変わった。 「えっとな、あの後は宿題して、俺ビール飲んだんだけどさぁ」 あっ、言っちゃうんだ。 「少しのつもりが酔っちゃって。そしたら蒼空がいつもより、いやいつももスッゲェ可愛いんだけどさ、最強可愛く見えてそのまま押し倒しちゃった」 テヘッって感じに軽く言うな瑛良。 「……………………は???」 あ~あぁ、燈夜スッゴクビックリしてんじゃん。 目ぇ見開いてんし。 ていうか、簡単に言うなよバカキラ。 「スッゴイ気持ち好かったからまたさせて?蒼空。なんなら今からでも」 オイオイオイ、それは流石にないだろ。 蒼空~って、迫ってくる瑛良に 「待て」 手を使いながら待てをするとクゥゥゥン、まるでわんこがお預けをされている様な表情をされた。 だからさぁ、なんでそんなに可愛いんだ。 時々瑛良には本当に犬耳と尻尾が付いてんじゃないかと思う時がある。 俺の前じゃ人間と言うより大型のわんこに近いから。 「なんで?」 「なんでって、お前考えもなしに突っ込むからダメ」 「今度から暴走しないって約束したもん」 もんって可愛いな。 「でも痛かったから当分しない」 「………………………………ごめんなさい……」 ショボン。 あっ、しょげた。 「なんか今の流れで気付いたんだけど、瑛良蒼空を無理矢理抱いたのか?」 うん、まぁ、そうなるな。 「…………ごめんなさい」 ハァァァァ、溜め息を吐くと 「バカか、お前は」 ペチンッ、燈夜は瑛良の頭を叩いた。 「ていうか、何簡単に許してんだ蒼空」 「う、ごめんなさい」 「そして瑛良。お前未成年なんだからアルコールは禁止。どうしても飲みたい時は一人で飲め」 「…………はい」 その後も沢山怒られた俺達。 休み時間がなくなって、そのまま次の授業三人一緒に遅れたら先生に怒られた。 休み時間は燈夜に、授業中は先生に怒られてなんか俺ちょっと可哀想。 放課後、バスケ部に呼ばれた瑛良と別れた俺は燈夜の家に向かった。 燈夜の家は豪邸だ。 大きな敷地の中に屋敷が3つと倉庫が5つと鯉が泳ぐ池と趣のある日本庭園とか色々ある。 真ん中にある屋敷が基本家族が使う家。 後はお客様の接待用の屋敷と、家族が自由に使える屋敷だ。 どれも全てトイレだけでなく浴室や寝室や台所等沢山の部屋や設備があるし掃除も行き届いているから何処の屋敷でも普通に暮らせる。 因みに俺や瑛良は燈夜の家に来た時はいつも自由に使える方の屋敷を使用している。 基本俺達以外出入りしない為、気を使わなくて良いから楽なのだ。 「ここどうやって解くんだ?」 「嗚呼、ここはこの公式を使うんだ。あっ、そこ答え違う」 「え?ここ間違ってた?」 和室が沢山ある中で、唯一ある大きな洋室。 其処は俺達の勉強部屋になっている。 キングサイズのベットとか勉強机とか大きめのローテーブルとかソファーとか色々あって、使い勝手が良い。 今日は昨日よりも量が多かったが、燈夜のお陰であっという間に終わった。 「あ~終わったぁ」 「お疲れ様」 「ありがと、燈夜」 「どういたしまして」 よしよし頭を撫でられて気持ち良くなった俺はキュッ、燈夜に抱き付いた。 「ほんっと可愛いな蒼空は」 優しく撫でる手がゆっくり壊れ物に触れるかの様に俺を抱き締める。 あ~なんかスッゲェ大事にされてる感半端ない。 「蒼空」 優しい声色で名前を呼ばれて顔を上げると 「…ん……」 ゆっくり重ねられた唇。 そのまま何度も軽く触れ合って 「ふぁ」 息継ぎの為軽く口を開けた時、見計らうかの様にそっと舌を絡められた。 「ん、ふ、んぁ」 燈夜とのキスは気持ち良い。 羽毛の様に優しく触れ合ってふわふわする。 とろん。完全に蕩けてしまった俺は 「好きだよ。蒼空」 優しく燈夜に抱き上げられた。 そのままベットに寝かされてゆっくり制服のボタンを外される。 パサリ、ベットから落とされた上着。 ガチャリ、ベルトに手を掛けられた。 って、うん? あれ?なんかおかしくないか?この流れ。 違和感を感じたが 「ん、ふ、ふぁ。……ふぅ、んん」 キスのせいで、上手く思考が働かない。 スッゴク気持ち良い。 「っあ、燈夜。ちょっ、え?」 でも流石に全裸にされた瞬間我に返った。 「スッゴク綺麗蒼空」 えっと、ありがとう。 「でも……………………………………ちょっと瑛良の所有印が多過ぎかな?」 所有印? 何それ? 「此処とか此処とか、見て分からない?」 指で触られた箇所に目を向けると 「は?何これ???」 虫刺されみたいな鬱血が沢山散りばめてあった。 「キスマーク」 え、キスマークって、マジか。 そういえば昨日キスされてる時なんか時折軽くチクッて変な違和感あったんだけど、それってキスマーク付けてたのか。 ていうか、なんで沢山付けたんだ?瑛良。 「独占欲半端ないな、瑛良は」 ん?何それ? 「そんな気はなかったんだが、なんか刺激されたな」 はい? 「蒼空。昨日あれから色々調べたんだが、試してみて良いか?今から」 えっと、何を? 「痛い事はしないから」 えっと、何か嫌な予感しかしませんが何でしょう? 「ダメか?」 「えっと、よく分かんないけど、良いよ?」 まぁ、燈夜だし、本当に俺が嫌がる事はしないだろう。 何をされるか全く分からなかったが了承した。 で、何故こうなった? 「………………っ、いった」 「うん、もうちょっと我慢して?」 「いやいやいや、それさっきも聞いたから」 「さっきって、数秒前でしょ?あと2分は粘って」 「う~」 トイレの前、お腹を押さえながら俺腹痛と戦ってます。それも全裸のままで。 理由は何故か燈夜に無花果浣腸をされたからだ。 何故だ。 俺そんなに便秘気味に見えたのか? さっき身体見た時お腹張ってたとか? ていうか、痛い。 トイレ我慢すんのって、メッチャお腹痛いなぁ。 スッゲェ脂汗出るし。 「はい。時間になった。良いよ行ってきて」 おっ、やっとか 。 その言葉を聞いて、直ぐ様俺はトイレに駆け込んだ。 完全防音だが万が一を考えて音姫を流しながら、俺は戦いに身を投じた。 数分後 「お疲れ様」 ゲッソリとした表情でトイレから出てきた俺に労いの言葉を掛けた燈夜は何故か次は俺を浴室に連れて行った。 燈夜も脱いで一緒に浴室に足を踏み入れる。 「洗うよ」 ボディーソープを手に取る燈夜。 何故か 「ちょっ、は???」 お尻を触られた。 「力抜いてて?」 泡が沢山付いた指先がゆっくり侵入してくる。 「…っ、…………っ」 何これ?なんで俺胎内燈夜に洗われてんだ? それもスッゲェ丁寧に。 シャワーのヘッド部分を外し、ホースみたいにした燈夜。 何するんだろ? ゆっくり2本の指で俺の後ろの孔を開き、そっとそれを俺の体内に入れた。 は?ちょっ、何してんだ? 「そのまま力抜いててね?」 えっ、ちょっ、お前、何考えて??? 捻られた蛇口。出てくるぬるま湯は当然俺の中に入ってくるわけで。 何これ、苦しい。 ていうか、気持ち悪い。 「ちょっ、お湯止めて?」 「もうちょっと」 は??? 「よし、こんなもんかな」 俺のお腹が少し膨れたのを確認した燈夜はゆっくりホースを抜いた。 ヤバイ、お湯出る。 「はい。ゆっくり出して?」 はぁあぁぁあ?何言ってんだ? 「ちょっ、待って、やっ、ちょ、嫌だって」 流石に燈夜の前でだとしても排泄っぽい行為を見せられない。 羞恥で水が出ない様に力を入れてたんだけど 「ぃやっ、やだぁ………………」 優しく何度もお腹を押されて 「ヤダ、見んなよぉ…………」 見苦しい音を立てながら俺はお湯を吐き出してしまった。 で、何故かそれを数回繰り返した燈夜。 最初恥じらっていた俺も3回目からは抗う体力が消え去り、そのまま燈夜に身を任せてしまった。 完全に出る水が無色になったのを確認すると、足元を綺麗に洗い流し、その後燈夜は俺の全身と自分を綺麗に洗い、俺を抱き上げたまま浴槽に浸かった。 あっ、気持ち良い。 ぐったりした俺はそのまま力を抜いて燈夜に凭れ掛かった。 ゆっくり長湯を楽しんだ後は、燈夜にタオルで拭いて貰って再び洋室へ戻った。 ていうか、俺いつになったら服を着れるんだ? 燈夜まで服着てないし。 いくら俺達しか来ないとはいえ、ちょっと、いやかなり恥ずかしい。 で、何故再び俺ベッドに寝かされてるんだ? 「綺麗になったな」 うん。まぁ、嫌って位中も含めて全身洗われましたからね燈夜に。 お陰でスッキリしましたよ。 「同じの使ったのになんで蒼空はこんなに良い匂いなんだろ?」 いやいやいや、燈夜。お前もスッゲェ良い匂いしてますからお風呂上がりの。 まぁ、自分の匂いって自分じゃ分かりにくいからなぁ。 チュッ、チュッ、チュッ。 顔中にされるキス。 なんか変な雰囲気になってないか?これ。 「蒼空。抱かせて?」 は? 「優しくする。絶対に痛くはしないから。だからお願い。させて?」 え? 「蒼空に触れたい。蒼空を感じたい。沢山優しくするから、蒼空を愛させて?」 ちょっ、ちょっ、ちょ~っ。 何? 何そのイケメンボイスは。 なんかスッゲェエロいフェロモン全身から出てるんだけど? いつもより男っぽい表情。 なんか色っぽい。 ヤッバ、イケメンの本気ってヤバイ。 格好良すぎ。 なんか同じ男としてスッゲェ敗北感を感じるんだが。 「お願い、蒼空」 ………………っつ!!! ヤバイ、全開なフェロモンのせいで俺顔真っ赤だ。 「蒼空」 う~。なんか断れない感半端ない。 「蒼空」 コクン。 あ~あぁ、頷いちゃったし。 「蒼空。好きだよ」 瑛良も燈夜も好きだと言えば何でも許されるって思ってそうな気がする。 まぁ、言われて嫌じゃないし、嬉しいけどさぁ。 ゆっくり近付く綺麗な顔。 瞼を閉じるとそっと唇が重ねられた。

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