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6.マーキング

衛生上基本ゴムを使用すると決めたのに、おバカな瑛良には聞こえてなかったらしい。 放課後屋上で指を挿入され、舐められそうになり慌てて阻止した。 これは言っても意味がない。 俺はある決心をした。 燈夜は衛生面をきちんと考慮して行動出来るが、瑛良にそれは不可能だ。 まぁ教えれば分かってくれるだろうが、頭で理解したとしても俺を見ると猪突猛進の如く抱き付いて発情する。 そうなると理性を捨てて本能のまま行動するのが目に見えて分かる。 なので毎朝家を出る前と帰宅してスグ俺はシャワーを浴びる事にした。 ネットで調べると腸内洗浄が一番衛生上綺麗だったが、頻繁にすると排泄に影響が出たり色々と身体に負担がかかり良くないらしい。 シャワーのホースを胎内に突っ込んで洗うか浣腸もオススメと書いてあったが、やはりそれもデメリットがある。 なので週に1回だけホースで洗浄し、それ以外の日はボディソープを付けた指で中迄綺麗に洗う様に決めた。 因みにトイレで個室を使用する時は必ずウォッシュレットを活用する事にした。 まぁ、基本家以外では個室使用しないがな。 落ち着かないしさ。 正直面倒臭いが、瑛良を拒むと必然的に燈夜とも出来なくなりそうな気がするし、目に見えて落ち込むから我慢だ。 しょぼんってした瑛良見たらよしよししたくなるし、泣かれたら困るんだよな。 嬉しそうに抱き付いてくるの可愛いし。 って、ほんっと俺甘過ぎるな瑛良に対しては。 シャワー終了後不思議そうな顔をした2人にこれから毎日朝と帰宅後入るって言うとしずかちゃんかって言われた。 まぁ男性にしては多いか1日2回シャワー浴びるって。 あっ、でもお風呂にも浸かりたいからもしかしたら3回入るかもしれない。 連日はしないって約束したけど、いつ直に触れられても汚くない様に綺麗にしておこう。 舐められた時に変な味したら嫌だし、指やアレに汚いの付いたら恥ずかしいし申し訳ないし衛生面でも悪い。 万が一病気にでもなったら大変だ。 ほんっと何故男同士はそんな所使うんだよ。 まぁ、其処しか繋がる場所ないから仕方ないんだが。 あっ、口もあるか。 って、何考えてんだか俺。 「蒼空?」 呼ばれ顔を上げると 「考え事してたら先に終えてしまうぞ?」 燈夜が苦笑していた。 手元を見ると何もしていない俺に対して、燈夜は殆ど宿題を終わらせていた。あと数分で終わりそうだ。 瑛良も結構進んでる。 ヤバイな、頑張ろ。 考え事を中断し、宿題に意識を向けた。 漸く終わり背伸びをすると 「お疲れ」 二人は余裕で終わっていた。 俺時間かかり過ぎ。 「あ~おい。ねぇ、キスしよ?」 キスを迫られ目を閉じようとしたら 「なぁ、ちょっと良いか?」 燈夜が口を開いた。 「なぁに?それ今言わなきゃダメなヤツ?」 キスを阻止された瑛良が少し膨れた。 「蒼空さ、瑛良に甘すぎ。余り甘やかし過ぎたら駄犬になるぞ?ってもうなってるか。瑛良の事を思うなら、少し心を鬼にして躾なきゃダメだ」 確かに。 自分でも自覚してる。 聞く時もあるけどすぐ暴走するもんな。 人前でも気にせずべったり甘えてくるし、少しでも人目なくなるとキスしてくるし発情する。 平気で後ろ舐めたり舌突っ込んだり指挿れたりするし、生でしちゃうから色々危険だ。 身体壊したらどうするんだ。 もし万が一瑛良が病気になったら、俺どう責任取れば良いんだよ。 一生自分を怨むぞ。 それに嫌だぞ、健康じゃなくなったら。 悲しくて苦しくて辛くて毎日泣く。 だから直接舐めちゃダメ、指やアレ挿れる時は絶対ゴムしろよって燈夜が言ってるのにバカなのか理解してくれない。 結局病気予防の為に俺が常に清潔をキープしているけど、完全に綺麗な訳じゃないし、不安要素が高い。 心配なんだよ瑛良。分かれよ、バカ。 「蒼空?」 俯き落ち込んでいたら 「…っ」 ぺろり目尻を舐められた。 どうやら少し涙目になっていたらしい。 「甘い」 満足そうに味わうなバカキラ。 お前を心配してこうなったんだからな? 「可愛い。蒼空」 ふわふわ嬉しそうに笑ってるお前の方が可愛いんだよバカ。 「なんで瑛良はゴム付けないんだ?綺麗にしてるつもりだけどさ、もしばい菌入って病気になったらどうすんだよ。俺嫌だよ瑛良が病気になったら。哀しいし、自分の事嫌いになるし、どうして良いか分かんなくなる」 いざ口にしてみると余計胸が締め付けられて溢れる涙。 「ごめん」 流石に悪いと感じたのか謝られたが、生でしてたのはマーキングの為って言われた。 マーキング? ほんっと考え方迄わんこかよ瑛良。 中に出す事により自分の匂いを身体の中からさせたかったらしい。 キスマークも自分のだって意味で付けたって。ちょっと瑛良さん、ソレ親友の域越え掛けてね? 大丈夫か? 今度から出来るだけゴムを利用するって約束させたが、もしかしたら行為自体を控えた方が良いかもしれない。 少し不安を感じた。

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