82 / 99
2018年12月24日-20
千景の下半身が目の前に現れる。燻んだ色の陰 嚢 はだらりと垂れ下がり、その奥にある陰茎は包皮が捲れあがった状態でしなっていた。根元には撫でつけるように陰毛が繁っていた。
男性器に対し、こんな表現をするのはどうかと思うが、美味そうだった。岳は溜まった唾を飲み込むと、茎をやんわりと握り、ふっと息を吹きかける。それだけのことだったが、千景の身は震えた。
「……ぁ……っ」
「俺がするように、アンタもやってみろ」
そう言って、岳は陰嚢を口に含み、舌で転がした。千景は太ももをぐっと強ばらせ、甘い吐息を洩らす。程なくして、岳の陰嚢もじっとりと熱い口腔へと吸い込まれた。睾丸のかたちを確かめるように、舌でなぞられる。
「……、……ふ……っ、んぅ……」
控えめなのか、拙いのか、はっきり言ってさほど気持ちよくはない。
けれども、好きな男に奉仕されていることに岳は悦びを感じていた。それに自らの舌技で千景が感じていることも、嬉しかった。
こんな気持ちになるのは、生まれて初めてだった。
唾液まみれになった陰嚢から口を離し、舌を伸ばして裏筋を舐め、何往復かしたのち、棹を咥える。千景はくぐもった嬌声をあげながら、腰をくねらせる。それから同じように、裏筋をちろちろと舐めてから、亀頭をぱくりと食んできた。従順で献身的で、不器用な舌の動きが可愛かった。
「……、はぁ……、ッ……」
「ん、っ……、また、大きくなった……」
うっとりとした千景の声に脳髄がくらりとし、荒い鼻息が吹き出る。射精するにはまだまだだが、岳は確かに感じていた。じゅるっと、体液が混ざった唾液を吸いあげると共に、千景の棹を上あごと舌で挟んで刺激する。口の中は独特の塩っ気と青臭さで充満していた。
千景も、懸命に岳のペニスをしゃぶっている。舌で裏筋を舐め、窄めた唇で陰茎を扱き、鈴口から浮き出てくる先走りを飲み込んでいた。そうやってしばらくの間、ふたりは口淫に没頭していた。
先に音 をあげたのは、千景だった。
彼は口の動きを止めると、根元に添えていた右手で岳の性器を包み、鼻にかかった高い声を溢し始めた。
「あ、あっ……だ、だめ……ッ!」
「……ん、……」
「も……出る……、イク……っ!」
千景の全身が、びくびくと震えた。それから少し遅れて、ザーメンが喉にめがけて飛んでくる。量は多く、味も臭いも濃かった。岳は亀頭を吸い、尿道に残っていたものも舌の上に出してから、すべて嚥下した。
ともだちにシェアしよう!