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2018年12月24日-20

 千景の下半身が目の前に現れる。燻んだ色の(いん)(のう)はだらりと垂れ下がり、その奥にある陰茎は包皮が捲れあがった状態でしなっていた。根元には撫でつけるように陰毛が繁っていた。  男性器に対し、こんな表現をするのはどうかと思うが、美味そうだった。岳は溜まった唾を飲み込むと、茎をやんわりと握り、ふっと息を吹きかける。それだけのことだったが、千景の身は震えた。 「……ぁ……っ」 「俺がするように、アンタもやってみろ」  そう言って、岳は陰嚢を口に含み、舌で転がした。千景は太ももをぐっと強ばらせ、甘い吐息を洩らす。程なくして、岳の陰嚢もじっとりと熱い口腔へと吸い込まれた。睾丸のかたちを確かめるように、舌でなぞられる。 「……、……ふ……っ、んぅ……」  控えめなのか、拙いのか、はっきり言ってさほど気持ちよくはない。  けれども、好きな男に奉仕されていることに岳は悦びを感じていた。それに自らの舌技で千景が感じていることも、嬉しかった。  こんな気持ちになるのは、生まれて初めてだった。  唾液まみれになった陰嚢から口を離し、舌を伸ばして裏筋を舐め、何往復かしたのち、棹を咥える。千景はくぐもった嬌声をあげながら、腰をくねらせる。それから同じように、裏筋をちろちろと舐めてから、亀頭をぱくりと食んできた。従順で献身的で、不器用な舌の動きが可愛かった。 「……、はぁ……、ッ……」 「ん、っ……、また、大きくなった……」  うっとりとした千景の声に脳髄がくらりとし、荒い鼻息が吹き出る。射精するにはまだまだだが、岳は確かに感じていた。じゅるっと、体液が混ざった唾液を吸いあげると共に、千景の棹を上あごと舌で挟んで刺激する。口の中は独特の塩っ気と青臭さで充満していた。  千景も、懸命に岳のペニスをしゃぶっている。舌で裏筋を舐め、窄めた唇で陰茎を扱き、鈴口から浮き出てくる先走りを飲み込んでいた。そうやってしばらくの間、ふたりは口淫に没頭していた。  先に()をあげたのは、千景だった。  彼は口の動きを止めると、根元に添えていた右手で岳の性器を包み、鼻にかかった高い声を溢し始めた。 「あ、あっ……だ、だめ……ッ!」 「……ん、……」 「も……出る……、イク……っ!」  千景の全身が、びくびくと震えた。それから少し遅れて、ザーメンが喉にめがけて飛んでくる。量は多く、味も臭いも濃かった。岳は亀頭を吸い、尿道に残っていたものも舌の上に出してから、すべて嚥下した。

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