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2018年12月24日-23

「……いいか?」 岳の問いに千景は微笑み、両腕を背中に巻きつけてきた。 「いいよ……でも、久しぶりだし、ゆっくりしてほしいかも」 「分かった」 ふーっと息を吐き、ゆっくりと腰を押し進める。張りだした先端が吸い込まれるように挿入されると、千景は白い首を仰け反らし、呻くような声をこぼした。顔が少し歪んでいる。けれども、「痛いか?」と訊けば、ゆるゆるとかぶりを振られる。掻きあげるようにセットされていた前髪は乱れ、汗みずくの額にぱらぱらと落ちていった。 少しずつ陰茎を挿れていく。それだけで腰が砕けそうなほどに気持ちよかった。千景の中は、とても具合がいい。堪えなければ、おのずと喘いでしまう。けれども、それでもいいと思った。 「……ぁ……、はぁ……ッ」 「あぁっ……あ、ン……ぁ……奥……入って……!」 焦れるほどの時間をかけて、根元まで挿入した。唾液や先走り、汗で湿った陰毛が、彼の会陰に触れる。岳はさらに体重をかけ、千景と限界まで密着した。今一度、息を深く吐き、顔に流れる汗を乱雑に拭いながら、相手の顔を見つめた。 「どうだ?」 「……ん、……平気だ……」 千景は顔のあちこちにできた苦しげな皺を、ゆっくりと伸ばしていく。ぎゅっと閉じていた目をやんわりと開き、ぼうっとした眼差しでこちらを見つめ返してきた。 「……嬉しい」 心の底からそう思っているのが分かる声色で千景は言い、腕の力を強めた。一物が馴染んできた腹のなかは自身を離さないとばかりに狭まり、その刺激に岳は小さく唸った。 その時を待ちわびるかのように、性器はどくどくと脈打つ。たまらず腰を揺すれば、新たに熱と快感が生まれ、身体じゅうに巡っていった。 「……あ、ぁっ……んん……、ぅ……」 ペニスをギリギリまで引き、打ちつける。そうすれば、千景は大きな声で喘いだ。蒸れた肌と肌がぶつかる音と、繋がった箇所からの淫らな水音が混ざり合い、鼓膜を震わせる。その震動が体内に流れていき、新たな快楽を生み出した。 「……、いい……」 「あぁ、んッ……ぁ……!」 「気持ちいい……」 角砂糖の端がぽろ、と欠け落ちるように、岳は頭に溢れた言葉を口にした。そして、亀頭でぐりぐりと前立腺を抉った。千景の裸体は荒波のごとく揺れ、性器が半透明な白濁液を勢いよく吐き出す。微量だったが、彼の割れた腹筋を汚した。

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