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第2話

「……」 「……」 なんだろうここ…。 あたりを見回しても真っ暗で何が何だかよくわかんないや。 んー、それにしても動けないの不便だなぁ…。 「…なぁ」 …!? いつの間にか誰かがいたみたい。 僕は動けないからその人を見ることはできない。 そう思っていると向こうから僕の顔をのぞき込んできた。 「俺の声聞こえてるか?」 聞こえてますよ! でも返事をする手段がないんです! 「もし聞こえているんだったら俺らは今全く同じ状況だ。あー、と。とりあえず心の中でやりたいことをイメージしてみろ」 やりたいこと? イメージ? とりあえずお話がしたいって思っとけばいいのかな? …お話がしたいお話がしたい、おはな… 「…しがしたい。…っわぁ!」 「やっぱりか」 「こ、声がでてる!」 「どういう状況かさっぱりわからないが同じ状況の奴がいてよかった」 「あなたはだれ?人間?僕って今どんな状況なの?」 「落ち着け、とりあえずその姿のままだと動けなくて不便だろ。俺の姿をさっきのようにイメージしてみろ」 またイメージ… うーんと、手があって、足があって、顔があって… 「うわっ!」 身体がにゅっと引っ張られる感じがして、不思議な感覚が一瞬あったと思ったら目線がさっきと変わっている。 下を向いて自分の身体を確認すると、目の前の人みたいに手があって足があった。 「わぁぁ!」 自分の思いのままに身体を動かせることに興奮して動き回っていると、また落ち着け、と言われてしまった…。 「えっと、状況を整理するぞ」 「なんの?」 「…。まず、俺は雪だるまだ。そしてお前は雪うさぎだ。」 「どういうこと?」 「聞いてろ。俺はお前が作られているあたりから意識があった。状況はいまだに理解できていないが、動けないことが不便だと思った俺は夜も更けたころに人間のような姿になりたいと願ってみたんだ」 「そしたら本当に人間になれたんだね!」 「…まぁ、そういうことだ。もしかしたらお前も同じような状況なのではないかと試しに声を かけてみたが、案の定だった」 ほぇー、だるまさんってすごいや…! 「それから、俺らは生まれたばかりなのに言葉が話せるだろう?おかしいと思ったんだ。色々考えてみた結果、俺たちは作ってくれた人の魂の一部を一時的に預かっているだけの状態なんだと思う。」 「…うーん?むずかしい話だね」 「だから俺らは雪が溶ければ消えてしまう。あくまで憶測だがな」 「えぇ!?」 だるまさんの話は難しすぎてほとんどわかんないけど、すぐにお別れしなくちゃいけないんだってことはわかった。 「あとは、人間の前でこの姿になってはいけない。難しかったかもしれないがこれだけは守ってくれ」 「わかった!」

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