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第4話

「だるまさんだるまさん!一年ぶりですね」 どうやら今年も無事にまた会えたようだ。 この笑顔を見るのも今年で最後になってしまうのか… 「一年ぶりだな」 「去年はどこに行ったの?」 「…その前に、話があるんだ」 … 「え…じゃあもう会えないの?」 う、そんなウルウルした目で見ないでくれ… 俺らにはどうしようもないことなんだ… 「俺らはこうやって今会話したり動いたりしていることの方が特別なんだ。いつか別れが来ることくらい覚悟していなきゃいけなかったんだ。」 「でも、僕まだだるまさんと一緒にいたい。もっと遊びたい。だめなの?」 俺だってまだうさぎと一緒にいたいし、話したいこともたくさんある。 年に一度とはいえこの世に生を受けたからには必ず終わりが来る。 それは人間でも同じことだ。 当たり前なんてこの世界には存在しないんだ。 「うさぎ、朝まで、なにするか…」 「う、うわぁぁん…やだ!来年も再来年もまただるまさんと会いたい!やだぁぁ!」 「泣いてると時間なくなるぞ…」 それでもまだ俺の腕の中で泣き続けているうさぎを見ていると、俺だって涙が出てくる。 辛くないわけがない。さっきから必死に自分に言い聞かせようとはしているが、仕方ないことで簡単にかたずけられる話ではないのだ。 でもこうして最後の日を二人で泣いて過ごすわけにはいかない。 「なぁうさぎ、絶対に会えないわけじゃない。もしかしたらまたどこかで奇跡みたいに会えるかもしれないんだ。だから、もう、泣くな」 結局話という話はできず、泣いているうさぎに俺が一方的に話すだけだった。 もう、夜が明ける。 最後、これだけは伝えなくてはいけない。 「なぁうさぎ、好きだよ」 「っえ…?」 うさぎは俺の告白に答えることなく溶けていった。 これでもう悔いはない。 いつもなら保っている意識も、これ以上孤独を味わいたくなくて静かに眠りについた。

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