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第5話

心を込めて作ったものには、魂が宿ることがある…。 「ぱぱー!ゆきだるまできた!」 「お、ほんとだ。うまいじゃないか!」 「へへん。まぁね!」 得意げな顔をしている一人の少年。 「でもだるまさん一人だとかわいそうじゃないか?」 「…そうだね、ひとりぼっちはさみしいもんね」 「俺に(ゆき)がいるように、だるまさんにも話し相手のうさぎさんをつくってあげよう。」 「ゆきでうさぎさんつくるの?」 父親は雪だるまより小さい雪玉を作り始めた。 「こうやって、ほら。こうすれば一人じゃなくなる。」 「ほんとだ!これでよるもさみしくないね!」 「…そうだな、もう寒いから家の中に入ろうか」 「うん!ぱぱ、はやののおにいさんよんでゲームしよ!」 しんしんと降る雪の中雪だるまがふっと笑ったような気がした。

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