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森孝くんと結しゃんの話18
見上げると、細く息を吐いているもりしゃんと目があった。もう一度昂りがぼくの唇に押しつけられる。
もりしゃんは綺麗に爪の整えられた指で、ぼくの歯列をなぞった。
「お口、開けて。指しゃぶって練習するくらい、チンポ咥えたかったんでしょ?」
唇の上のぬめりが強くなった。それと同時に、歯の隙間から少しずつ塩味が広がっていく。
「……ふぐぐっ」
先走りなんておいしいはずないのに、頭の奥がジーンと痺れてきた。意味もなく幸せな気持ちになり、脳みそがぐずぐずにとろけて理性が消えていく。まるで麻薬みたいだ。
ぼくはもりしゃんのペニスに舌を伸ばした。固いのに柔らかくて、不思議な感触だ。先走りが口の中でとろとろ、とろける。
思わず先端に吸いつくと、もりしゃんはふっと笑った。
「ほんっと、すけべ。お人形さんみたいに可愛い顔なのに、ぐちゃぐちゃに汚したくなる」
もりしゃんはぼくの口に指を差し込むと、開いた隙間からペニスをねじ込んだ。後頭部を引き寄せ、腰をグラインドさせる。
「っ、ふぅぅ、もりひゃっ、くるひっ……」
喉の奥がもりしゃんのペニスで圧迫される。上顎をペニスで擦られるたびに、身体がぞくりとする。ペニスが痛い。
噛まないよう必死で口を開けるぼくの唇を、もりしゃんは愛おしそうに指でなぞった。
「泣くの我慢しながら、お口開けてるの可愛い――って、結しゃん、無理やり咥えさせられてんのに、興奮してんの?」
「……っふぅっ、ちがっ……ちがう、もん……っ、興奮なんか……っ」
もりしゃんは、パンツの中に伸ばしかけたぼくの手を見ると言った。
今さら意味なんてないだろうけど、ワンピースの裾を引っ張って、膨らんだパンツを隠すようにする。
「我慢できないなら、触ればいいのに。俺のおかげで? クリイキ覚えちゃったんだもんね。皮剥いて直接触るとすぐいっちゃうって、結しゃん、言ってたじゃん」
「うぅ……だって、それは……」
女の子のふりをしていたから、言えたことだ。もりしゃんの前で下を弄ったりなんてできない。
もりしゃんはぼくの言葉の続きを待たずに、また後頭部を引き寄せた。さっきより苦味の強くなったペニスが口の中を擦るように出入りする。
喉の奥を突かれるたびに、頭がくらくらして何も考えられなくなる。
おちんちん、触りたい。でも、触ったらだめだ。何度もワンピースの裾を握って我慢する。
「結しゃん。俺のこと好きだったら、自分で弄ってるところ、見せて?」
甘い声で言われて、胸がキュンとする。ぼくは口を目一杯開けながら、濡れそぼったパンツの中に手を伸ばした。
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