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少し時が戻りまして3

 一ヶ月が過ぎ、俺は毎日毎日むさ苦しい野郎ばかりの中で授業を受けていた。  そんな中で唯一の癒しだったのが、B組の葵ちゃん。ギャルが多いこの学校で珍しい清純派。坂道系アイドルもびっくりの美人さんだ。毎日廊下で見かけては話しかけている。  そんな俺の恋は、早々に終わりを迎えた。  眠くて眠くて、情報棟で昼寝をするべくサボっていた時のことだ。  屋上に続く階段のところにしゃがんでいると、遠くから階段を登ってくる足音がした。うわー、うぜぇ、見回りかよ。  先生だったら面倒くさいと、俺は近くにあるトイレの個室に逃げ込んだ。鍵をかけたら入ってるのがバレバレだから、わざと開けたままにしておく。  トイレに男女二人の声が近づいてきた。声が若い。先生じゃないみたいだ。  トイレの窓の近く――俺の入った個室の側で二人は話し始めた。  いや、話し始めたというより、おっぱじ始めたというほうが正しいか。  女ウケしそうな甘い声で男は喋った。 「はは、本当にTバック穿いてるん?」 「だって、りっくんが穿いてこいっていうから」 「あーちゃんに騙されてるガキンチョどもの側で、あーちゃんがエロい下着つけてるの想像したら、楽しかったァ」 「変態、もう勃たせてるし」  二人のうち、りっくん、はすぐにわかった。三年生で目立つグループにいる人だ。周りはヤンキーが多いけど、一人だけ女ウケしそうなイケメンが混ざっている。  ヤンキー達に、りっくんなんて可愛い名前で呼ばれていたから印象に残っていた。 「変態って、わざわざ自分からチンコ握っといて何言ってんだか。あーあ……太ももまで湿らせちゃって。あーちゃん、スカート短いほうじゃないけど、ここまで濡らしてると流石にバレるよ?」  吐息混じりの声でりっくん――こと、陸人さんは言った。それに負けないくらいの甘ったるい声で女がささやく。 「……ここじゃダメ。せめてあっち、入ろう?」  あーちゃんが誰なのか想像つかないが、タメ口をきいてるし先輩だろう。  って、やめるという選択肢はないんかい!学校だぞ!

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