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少し時が戻りまして4
会話につっこんだ後で冷や汗が出てきた。
ヤバいヤバいヤバい。あっちって、こっちだよな。二人から一番近い個室は俺の入ってる場所だ。
聞き耳を立ててたなんて知られたらまずいことになりそうだ。陸人くんが平和主義軍団の一員だとしても、本当に本当に、平和主義なのかは怪しい。
エロい声を聞いて、半勃ちになっちゃってるし。
陸人くんは焦る俺の心なんて知らず、楽しそうに言った。
「見られたら、それはそれで興奮するからいいんじゃない? どうせこんなとこ、煙草吸いにくるやつしかいないよ」
はいはいはーい。ここに、昼寝しにきたやつがいまーす。
心の中で高く高く手を上げる。でも、話の流れ的に鉢合わせせずにすみそうでほっとした。変態バンザイ。
「ちょっ、りっくん何して。パンツ返して」
「こんだけ濡れてたら、もういらないでしょ? 後で誰かに拾いに行かせる。そのまま外見て手ぇついといて」
こともあろうに、陸人くんは窓からTバックを外に投げ捨てたらしかった。後輩に拾わせるまでがプレイの一種なんだろう。けしからん。
俺は鼻をこすった。よかった、鼻血は出ていない。
やぁだ、と全然嫌そうじゃない声で女が言った。
「嫌なん? 竿で擦るだけでどんどん汁出てくるの、どいつだよ」
俺も、怖いもの見たさで誰か知りたいぞ。
「……りっくんの、久しぶりだから」
「中学ぶりだっけ? まだピル飲んでんの?」
「一応、飲んでる。ゴムはつける派だけど」
「だけど?」
「りっくんならいいよ。りっくんの大きすぎて、ゴムつけてると痛い――」
言ってる途中で、グチュっと音がした。
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