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雑なキューピッド9
ローションを使ったわけでもないのに、先走りが小さな音を立てている。ほんの少しだけ被っていた皮が、パンパンに膨れた亀頭のせいで完全に剥けていた。
「っ、善も、気持ちいい?」
必死で我慢しているものの、まこの息が少しずつ上がってきた。唇をかんだまこが、上気した頬で問いかけてくる。
正直なところ、まこが自分で弄り始めてから俺のほうはほぼお留守だった。視覚ではめちゃめちゃ興奮するけど、直接的な刺激は全然足りていない。
「う〜ん……俺も、自分でしていい?」
責めてると思われないように控えめに言うと、まこは申し訳なさそうに俺の下半身から手を離した。
「いいよ、自分ばっか気持ちくなっててごめん。あんまり手ぇ動かす余裕がなくて」
俺は所在なさげなまこの手に指を絡めた。泣きそうになったまこが俺の目を見上げてくる。
「まこにしてもらって、ちゃんと気持ちよかったからね? でも、自分でするほうがまこも触るのに集中できるでしょ。俺、まこの手でされてるとこ想像するから、まこも想像して。まこの良くなってる時の顔見ながらイキたいな、だめ?」
「だめ、じゃないけど」
「恥ずかしい?」
まこは目をそらして小さく頷いた。待っていても自分からは続きをしてくれそうにない。
「じゃあ、一人でしちゃおっ」
冗談めかして言い、先に始めると、まこもふたたび下に手を伸ばした。
俺の手をギュッと握っては、まこは浅く息を吐いている。恥ずかしいと言いながらも刺激する手はとめない。快楽には忠実そうだ。
「手ぇ繋ぎながらするとヤバいね。自分の手なのに、自分のじゃないみたい」
「まこの手の感触が残ってるから、いつもより気持ちいい。電話より三割り増しのいやらしー声聞けるし、一緒にするのハマっちゃいそう」
「やらしー声とか、いちいち恥ずいこと、言わないで」
また毛布に消えていきそうなまこの頬にキスをする。唇の端にもチョンと触れると、もう一度まこの手が動きはじめた。先端だけを二本の指で虐めるように挟んでいる。
思ったよりまこがエッチな触り方をしていて、理性が持ちそうにない。まこの手も止まる気配はなくて、むしろ段々早くなっていく。
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