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逢瀬18
青年の口に突っこんでいたバイブを抜き取り、頬を濡らしている涙を、高橋は優しく拭ってやった。
「ちょっと、キツい罰を与えすぎてしまったか。苦しかっただろ?」
話しかけつつ、背中に隠した催淫剤入りのチューブを指先に押し出し、中身をたっぷりと出した。これを青年に塗ったくるタイミングを見極めるべく、慈愛の眼差しを注ぎ込む。
「お願いですから、変なものを使わないでください……」
そんな高橋の視線を受けて、悲しげに顔を歪ませる青年に向かって、瞳を細めながらほほ笑みかけ、優しい顔を作り込んだ。ふたたび薬を使うなという、お願いをしてきた彼に寄り添い、耳元で囁くように話しかけてみる。
「それ以外のことなら、なんだってすると言ったが、初心な君ができる行為は一体、どんなことだというんだろうね?」
卑猥な問いかけに、青年はカッと頬を染めて、口先で何かを呟く。そんな愛らしい様子を見つめる高橋の眼差しが、すぐさま下卑たものへと変化した。
「はるくん、何をしてくれるのかな?」
「それは……、石川さんのを口でしたり」
「それだけ?」
縛りつけている赤い縄と同じ色をしている青年の顔を見下してから、触れるだけのキスをしてやった。
「んぅっ」
優しい物言いの後に、なされたキスに感じて、躰の緊張を解いたところを見計らい、手荒に青年の秘部へとそれを塗ったくった。
「ひいぃっ! ぃやだっ」
青年が躰をのけ反って抵抗すると、運よく中指がするっと挿入された。
「んうっ、あぁっ!」
踵でベッドを蹴り上げて、自ら高橋の指を抜き去ったが、何かに耐えるように躰を震わせて目を見開き、荒い呼吸を繰り返す。そんな姿を見ながら、手に残っているローションをティッシュで拭いとった。
「どうしたんだい、はるくん。つらそうに見えるけど?」
「くうっ……」
「自分から、俺の指を挿れちゃったもんね。今頃君の中は俺のを欲しがって、大変なことになってるだろ?」
「んなもん……いらな、いっ」
自身にローションがつかないように、ゴムを着けてから、背中を丸めてうずくまっている青年を無理やり仰向けにした。
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