29 / 66
逢瀬20
「も、イヤだっ……。うっ」
「嫌じゃないだろう、ほらほら」
ぐちゅぐちゅという卑猥な音を青年に聞かせるために、両膝を持ち上げて派手に動かした。
「あぁあっ、はっ……ぅあっ、石川さ、も、やめっ!」
「やめろと言ってるのに、自ら腰を打ちつけていることに気がついていないのか? 我慢できなくなっているんだろう?」
高橋の動きに反するような動きに見せかけた、青年の腰の動きを指摘した途端に、ベッドに横たわっている顔が、見る間に赤く染まった。
「ち、違ぅ、これ、は――」
「はるくんが感じているのは、分かっているつもりだ。いいんだよ、もっと自分で動いてみてごらん」
それまで動かしていた腰の動きを、小刻みな感じにした。それだけじゃなく、青年を焦らすようにゆっくりと動かしてみる。
「はあっ、あっ、んっ」
頬を紅潮させたまま、ぎゅっと両目を閉じて何かに耐える青年の乳首に舌を這わせた瞬間、高橋のモノをこれでもかと締め上げた。
そんな反応にニヤけながら、視線を下腹部に移すと、それが目に留まる。イったばかりで時間が経っていないのに、動かすたびに高橋の腹に大きく育った青年のモノが当たった。
「なぁはるくん、この縄を解いてほしい?」
青年が歯を食いしばるたびに縄が肌に食い込み、それなりにいい姿を高橋は堪能したが、面白いことを思いついたので提案してみた。
「は、はぃ。解いてほしいです」
「だったらはるくんが動いて、俺をイかせることが条件だ。どうする?」
「…………」
「君が好きなだけ動いてくれたら、きっとはやくイくと思うよ。俺のモノが張り詰めてる感じが、中から伝わってるでしょ?」
「――そうですね」
顔を横に背けて、嫌という感情を露にしながら告げる青年に、高橋は微笑みを浮かべたままじっと見下ろした。
ともだちにシェアしよう!