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逢瀬21
「自分を拘束している、縄が解かれるだけじゃなく、俺を早くイカせれば、君は嫌なことから解放される。これって、一石二鳥だと思わないか?」
イエスと絶対に言わせるべく、高橋は常套句を並べ立てた。
青年に考えさせる暇を与えさせないように、目の前にある釣り餌に集中させて、まんまと首輪をかける手法――餌にかかってしまえば、高橋の思うがままにヤるだけだった。
「……自分で動きますので、これを解いてください」
「分かった。縄を解いてあげるから、起き上がってもらおうか」
高橋のモノを挿れたまま、青年の躰を抱き起し、キツく結ばれていた赤い縄の結び目を解いていった。
複雑な縛り方をしているので、青年の肌に直接触れながら解いていく。場所によっては感じるのか、時折吐息を漏らして躰を震わせる彼の素直な反応を、とても可愛いと思った。
「外れにくいようにキツめに縛ったから、ちょっとだけ痕が残ってしまったね。大丈夫?」
青年を徹底的に焦らそうと、あえてゆっくり縄を解いてやった。このタイムラグが間違いなく、躰を疼かせるきっかけになるだろう。
「あ……動くと少しだけ痛みま、す」
「ここら辺?」
解いてる最中に感じていたところを、左手でそっと撫で擦ってみた。
「んあっ!」
「ああ、ごめん。痛かった? ここも大丈夫かな?」
熟したりんごのように、赤い顔で自分を見下ろす様子を、上目遣いで見つめながら他の場所に触れようとしたら、青年は素早く高橋の手を掴んだ。
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