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第10話 シズクと合同実習*

   合同実習当日。  合同実習は午前の授業が終わったあとに、αが各々に与えられているフロアの一室で行われることになった。  昼休みが終わってほどなくした頃、俺のフロアまでやってきたシズクを部屋へと迎えいれる。 「チアキ様。今日はよろしくお願いいたします」 「こちらこそ、よろしく」  顔を合わせるなり丁寧にお辞儀をしてくるシズクに俺も挨拶を返す。  シズクはいつもどおりに見えてどこか緊張した面持ちで、俺がしっかりしなければという気持ちにさせられる。  まだムギのことが頭に引っかかって浮かない気持ちだったけれど、シズクの前でくよくよとしているわけにもいかない。切り替えようと自分に言い聞かせた。  先日、シズクから教えてもらった合同実習の内容は、子作りの練習というものだった。  これは一年のαがはじめに受けるもので、より深くΩのことを知るために行われるらしい。特に俺のような経験のないαのためにあるような実習だった。  ちなみに男性のΩが妊娠できるのは:発情期(ヒート)だけなので、今日のことで子供ができるということはない。  発情期のΩはこの実習からははずされている。避妊薬を飲むという手もあるが、この実習では使われないようだ。  俺はこの日のためにいろいろと調べて、足りない知識を埋めることに努めた。  俺の経験不足からシズクを傷つけるようなことだけは避けたかったし、少しでもいい思い出として残したかったからだ。 「シャワー使う?」 「いえ……済ませてきましたので、お気遣いなく。チアキ様は?」 「俺も、もう済ませた」  そう返してお互いに黙りこむ。  シズクは心なしか落ちつかない様子でちらちらと部屋の様子を窺っている。俺はその小さな肩に手を伸ばすと、そっと自身の方へと引き寄せた。 「あ……」  そのまま腕のなかへ閉じこめる。 「いい匂いがする」 「そうですか? ボディソープの匂いでしょうか……」 「ううん。多分、シズクのフェロモンかな。甘くて濃厚な花の香り」  そう答えるとシズクは言葉を詰まらせ、恥ずかしそうに俺の胸に顔を埋める。 「チアキ様も……柑橘系のいい香りがします。離れているときは気づきませんでしたが、近くだとよくわかります」  胸に手をついてスンと鼻を鳴らすシズクをかわいく思いながら、目を細める。そうしてその白い首筋に鼻先を埋めてお願いをした。 「もっとシズクの匂い嗅ぎたい……」 「は、い」  腕のなかのシズクが頷くなり、俺はその肢体を抱えあげてベッドに向かい慎重に横たわらせた。上から覆いかぶさり赤くふっくらとした小ぶりの唇を塞ぐ。  シズクは目を閉じると、小さく喉を鳴らして俺を受け入れる。  シズクの唇はマシュマロのようにふんわりとしていて、甘く感じた。その感触を楽しむように角度を変えながら何度となく啄む。 「ん……チアキ、さま」  とろりと蕩けた瞳でこちらを見上げるシズクに口づけを落としながら、シャツに手をかけてプツプツとボタンをはずしていく。  服の下から現れたのはキメの細い透けるように白い肌で、俺はその感触を確かめるように、胸から腹にかけて手のひらを滑らせた。  ほんのり温かくて滑らかな肌は吸いつくようで、ずっと触れていたくなる。 「シズクの肌、綺麗」 「……っ」  思ったままを口にすると、シズクは頬を赤く染めて所在なさげに身をよじる。  そんな可愛らしい反応に目を細めながら、腹に置いていた指を胸のうえでささやかに主張する尖りに移動させた。  ツンと尖った左胸のそこを指の腹でゆっくりと押して捏ねると、シズクの眉根がきゅっと寄せられて、熱のこもった吐息がこぼれる。 「ここ気持ちいい?」  問いながらささやかなそこを親指と人差し指で挟んで、擦る。 「……や、……っ」  短く喘いで首をふるシズクに、俺は首を傾げながらもう片方の乳首も同じように刺激を与えた。  両手で円を描くように押し潰していると、シズクはもじもじと太腿を擦り合わせながらピクピクと肢体を跳ねさせる。  なにかを堪えるように引き結ばれた唇を自分のもので覆い、その境目を舌でそっとなぞると、シズクは瞳を潤ませながら薄く口を開いて俺をなかへ誘いこんだ。 「……っン……、ふあ」  舌に舌を絡めて、吸う。何度もシズクに舌を伸ばしていると、シズクも控えめながらそれに応えてくれた。シズクは唇も舌も唾液も全部が甘い。  舌を絡めあいながら、俺は両方の指でシズクの弱い部分を刺激し続けた。 「ん、……っはぁ」  唇を離してそこを改めて確認すると、ずっと弄っていたせいか、はじめ淡く控えめだったそこは熱をもってふくらんでいた。  ぷっくりと主張するそこは熟れた木の実のようにおいしそうだ。 「チ、アキさま……そこばっかり……やだ」 「でもシズクここ好きだろ。下も、こんなにしてる」  言いながらシズクの膨らんだ前を撫でてやると、服の下から湿った音が聴こえる。 「あっ……だめ……」  静止の声がしたが俺は構わずシズクの前を寛げて下へおろすと、ピンと下から持ち上げられ、前にしっとりと染みをつくった下着が現れた。  下着の縁を引っぱって下におろすと、なかからぷるりとそそり立ったシズクのものが顔をだす。あまり使われていないのか、きれいなピンク色をしている。 「……や、……やだ……見たら、だめですっ」  とろりと先端から透明の液を滴らせるそれに釘づけになっていると、下から胸を押され抵抗される。  そんなシズクの手首をやんわりと掴むと、宥めるように額に口づける。 「恥ずかしがらなくても、これはシズクが俺に感じてくれている証でしょ。嬉しいから、隠さないでほしい」 「……っ」 「もっといっぱい俺で感じて。かわいいシズク、たくさん見たい」  俺の言葉にシズクは瞳を揺らすと、両手を伸ばして俺の頭を抱えこんできた。ぎゅう、と抱きしめられて俺もシズクのからだを抱きしめ返す。  

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