シズクから発せられるフェロモンがより濃厚なものになった。　 　俺は早くシズクのなかに入りたくて堪らなくなる。 　シズクのなかに俺のものを埋めこんで、突き上げて、揺さぶって。最奥に子種を吐き出したい。シズクに俺の子を産んでほしい、その思いが強くなる。 　先走りが垂れてしっとりと濡れそぼったシズクの蕾を探りあてると、指の先でそっと撫であげた。 　シズクが息を呑む気配がして、俺はもう片方の手で髪をすいてやる。 　ちょんちょんと軽くついてから、ゆっくりと指先を押しこむと、ことのほかすんなりと沈んでいく。 　シズクのなかはやわらかく蕩けていて、突然の来訪者を確かめるようにキュっと締めつけてくる。 「シズクのなか、やわらかい……」 　指を二本に増やし、息を詰めているシズクのなかをくちゅくちゅとかき混ぜながら伝えると、消え入りそうな声で理由を教えてくれた。 「あ……っ。先に、ン……準備を……して、きました……」 「シズクが、自分で？」 　思わず問い返すと、シズクは赤い顔をさらに真っ赤にして頷いた。 「だから……っひぁ……、も、繋がれます……ンんっ」 　口を片手で押さえながら説明するシズクのなかから指のを引き抜くと、俺は一旦シズクから離れて着ているものを脱ぎ捨てる。 　それからまたシズクに触れるだけのキスをすると、コツリと額を合わせた。 「ごめんシズク。俺、シズクがかわいすぎて余裕がない。シズクのなか、入らせて……」 「は……はい。私も……チアキ様が、ほしい、です」 　そう言って俺の手を掴んだシズクにひくつく蕾まで導かれると、もうだめだった。 　俺は仰向けになったシズクの、長くて綺麗な脚を割り開き両手で押しあげると、すでに先走りの滲んだそれをシズクの潤んだそこに押しつける。 「……っ……」 　不安げにその様子を見守るシズクに、俺は安心させようと笑いかけると、ゆっくりと時間をかけながら自身を埋めこんでいった。 「ン、んんっ、ん……」 「シズク。大丈夫？　痛くないか」 「……っは、あ、……ん……へぇき、です……」 「つらかったら、すぐに言って」 　シズクが無理をしていないか様子を確かめながら、時間をかけて腰を進める。休憩を挟みながらも、ついにすべてをなかに収めきった。 　息を乱しながら圧迫感に眉を潜めているシズクの頬をさらりと撫でる。 「シズクのなか、熱くて、とろとろに蕩けてて、俺のをきゅうきゅうに締めつけてくるよ……」 「あ……っ言わないで、ください……」 「すごく、気持ちいい」 　そうつぶやくと、シズクの内壁が脈動して、俺のものに絡みついてくる。搾りとるようなその動きに一瞬震えるが、なんとか堪えた。 「動いても、いい？」 「は……い」 　了承を得ると、腰を引いて、後退した分またなかへ押し入る。それを繰り返しながら徐々に速度をあげていった。 　ぱちゅぱちゅと濡れた音がふたりのあいだから聴こえ、シズクが恥ずかしそうに首を振る。 「……っん、……ん、んン」 　目を閉じて震えながら身を捩るシズクの腰を掴むと、俺はより深く繋がるように自らの腰を押しつけた。 「あ！　あ……、っやぅ！」 「シズク……シズクっ」 「はぁ……チアキ、さま……っ、ア、あ！」 　シズクの最奥に向かって、狭い内壁を割り開くように何度も腰を打ちつける。 　快感から、ぽろぽろと生理的な涙を零しながら喘ぐシズクがひどく綺麗で、かわいくて。もっと鳴かせたくなった。 「あ……！　ああ、あっ、ひあ……、も、やっ、ン」 「いや？　シズクは、気持ちよくない？」 　抉るように突き上げながらシズクの耳もとで尋ねると、シズクが首を左右に振って答える。 「き、もち……よすぎて、だめぇ……っ」 「気持ち、よすぎるの？」 「おかっ……しく、なりそ……です」 「おかしくなって、いいよ。いっぱい俺で……気持ちよくなって。ほら」 　トントントンと今は閉じたシズクの子宮への入り口を叩く。女性以外にはΩのみに存在するそこは、発情期に入らなければ開かず、今は俺が入ることを頑なに拒んでいた。 　いつかここに入ることを許されたい。そして、シズクの大事なその場所に己の精液を注ぎこみたい。そんな欲求が頭をもたげた。 　シズクを俺のものにしたい。そう強く願ったとき、下でシズクがビクビクと震えて、俺たちの腹に挟まれていたものから白い液を吐きだした。 「あ、ああアっ……、あっ」 　シズクがイッたことで、なかがこれまでになく蠢き、締めつけらる。 「はぁ……は、あ、ヤ……っ、チアキさ……！　まって……ッ」 　俺は痙攣し震えるシズクのなかを追いあげるように打ちつけ絶頂を迎えると、奥に向かって白濁をぶちまけた。 「――ッや！　なか、熱……っンぅ」 　喘ぐシズクの唇を塞ぐと、いまだ精液を吐きだし続ける己のものでなかをかき混ぜた。 「んぅ、ン、ん、んん……ん」 　くぐもった声をあげながら、シズクも俺の腰の動きにあわせて色っぽく腰を揺らめかせる。 　普段は色ごとなんかまったく興味がないような澄ました顔をしているシズクが、こんなにいやらしいなんて想像もしなかった。 「はぁ……。シズク、大丈夫？」 　たっぷりとシズクのなかに注ぎ終えた俺は、くったりと力なく倒れているシズクを抱きしめると、額、目もと、頬へと労るように口づける。 　それにとろけた表情で息を調えていたシズクが、擽ったそうに身を竦めた。 「チアキ様……」 「ん？」 「もっと……キス、してください」 「ん」 　かわいいおねだりに笑うと、俺はシズクの唇に自分のそれを重ね、ちゅ、ちゅっとリップ音をたてながら触れるだけの口づけを繰り返す。 　何度めかのキスを終えたあと、俺は真面目な顔でシズクと向きあった。急に真剣な表情になった俺に、シズクがぱちくりと瞳を瞬かせる。かわいい。 　じゃなくて。 「シズク」 「はい……」 「俺の群れに入ってくれないか。絶対、大事にするから、シズクに俺の子を産んでほしい」 「……っ」 　俺の誘いにシズクが大きく目を見開く。それから目尻を下げ、恥ずかしそうに瞼を落とすと、なかの俺をきゅんと締めつけてきた。 「は、はい」 「……っ！　本当に！？」 「はい私も、チアキ様のものに……なりたいです」 「やったっ、シズク！」 「ひゃ、あ……チアキ、さま……っ急に、動かないでくださ……」 　シズクに締めつけられて硬さを取り戻していたものがなかを擦ったらしく、シズクがふるりと身を震わせる。 　きゅんきゅんと締めつけてくるシズクに、意図せず俺のものが復活した。 「ご、ごめん。抜くね」 「……ぁ……抜かないで」 「……っ！」 「っ、ん……チアキ、さま」 　腰を引こうとするとその前に腰にシズクの脚が絡んできて、抜くのを止められる。そのまま腰を擦りつけられて、結合部が水っぽい音をたてた。 「シ……シズク？」 「私、チアキさまともっといっぱい……赤ちゃんをつくる練習が、したい、です……、ふぁ……」 　いやらしすぎるお願いに、抜きかけていたものをなかへ押しこむと、シズクの内壁が喜ぶように纏わりついてきた。 　そのあとはこの合同実習の目的である、子作りの練習に励み、こんな幸福な時間があっていいのかと思うほど、濃密な時間を過ごした。