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第17話 ムギとちぎれた理性2*

  「どうかした?」  焦った様子で上半身を起こし、俺を引き止めるムギに首を傾げる。ムギは瞳を潤ませながら制服を握る手に力をこめた。 「チアキ……」 「うん」  一生懸命なにかを伝えようとしているムギに向きなおると、静かに言葉の先を待つ。 「や……めなくて、いい」  俺の服をぎゅうぎゅうと握りしめながら頬を熟れたりんごのように真っ赤にして、ムギが小さくつぶやく。 「え?」  思わず聞き返すと、ムギは一瞬怯んだように視線をさまよわせた。けれど唇を引き結ぶと、どこか決意した面持ちで下からこちらを見上げてくる。  その顔がゆっくりと近づいてきて、距離がゼロになる。 「!」  唇にふわりとやわらかい感触がしたかと思うと、下唇をチロリと濡れたもので撫でられる。軽く触れただけなのにまるで電気でも流されたような衝撃をうけた。  驚きから固まっていると、ふたたび唇を合わせられる。前回とちがい、今度はムギの小さな舌が躊躇いがちに口内に差しこまれた。 「ん、……ん」  恐る恐る入ってきたものが俺のものに絡まり、辿々しく動かされる。  俺をその気にさせようと必死になっているその姿に、胸の奥がきゅうっと締めつけられる。  ムギの舌に応えるように自分のものを絡ませてから、その小さな舌の裏側をなぞり、ちゅっと吸う。すると華奢な肩がぴくりと跳ねて眉が切なそうに寄せられる。 「はぁ……」  熱っぽい吐息を洩らすと、ムギは俺から唇を離して起きあがりソファの上に座りなおす。そしてこちらに両手を伸ばして抱きついてきた。 「チアキ、チアキ……」  首に両手を回して俺の肩に頭を擦りつけてくるムギを、よしよしと撫でる。 「さっきの続き、していいの? 今度はさっきよりもっと恥ずかしいことをするよ」  先ほどムギの反応を思い出して少し不安になる。 「次ムギが嫌がっても、やめてあげられないかもしれない」  さっきまでのあいだにも相当煽られいて、正直今すぐにでもどうにかしてやりたくて堪らない。ムギの全部を俺のものにしたい。  それを僅かに残った理性でかろうじて押しとどめている状態だ。途中でやっぱり無理だと言われても止めてやれる自信はなかった。 「平気、だから……」  ムギは大丈夫だと頷くと、さっきから主張しておさまらない俺のそこを躊躇いがちに指で撫でてくる。 「……っ!」 「続き……したい」  そんなふうにされたら、もう冷静でなんかいられない。 「わかった。じゃああっちを向いて、ここにうつ伏せになってもらえる?」  すぐにでも押し倒したい気持ちを宥めながら促すと、ムギは素直に俺が座っている方向とは逆を向いて、うつ伏せになる。俺はその細い腰を持ち上げて膝を立たせると、なだらかな双丘を割り開いた。 「!? チアキ?」 「今からムギのここが俺のものを受け入れられるようなるまで解すから、じっとしてて」  不安気な声をあげるムギに努めて優しい声音で伝えると、手触りのいいキメの細かい肌を片手で撫でて、薄いピンク色をした慎ましやかなそこに舌を這わせる。 「……っひゃ」  この行動が予想外だったのか、前方から焦ったように息を飲む気配がした。  先ほどムギが放ったもので濡れたそこに、精液を塗りひろげるように舌を動かして、きゅっと閉じた場所の皺をひとつひとつ伸ばすように丹念に舐める。 「チ……チアキ、そこ汚い……」  もじもじと腰を動かしながら、いたたまれないといった様子でムギが訴えてくる。けれど俺は構わずにそんなムギの腰を両手でしっかり掴んで舌先を捩じこんだ。 「んぅ……っ」 「ムギのここ、きれいだよ。色もピンクでかわいい」 「ひあ」  全然汚くない。そう伝えながら、濡れた音をたてながら舌を出入りさせる。  相性がいいのか、ムギの蕾はほんのり甘ささえ感じるくらいでまったく抵抗がなかった。ムギの体ならきっとどこだっておいしく感じそうだ。  しばらくそうやって固く閉ざしていた蕾を解していると、段々と中がしっとりと濡れてくる。Ωの男だけは他のバース性の男とちがい、後孔が濡れるのだ。 「なか、蕩けてきた」 「……っや」  教えるように中指をゆっくりと沈めてゆるゆると動かしてやる。動かすとくちくちと音がして、ムギのなかが潤っていることを知らせてくれた。  指を折ったり伸ばしたりを繰り返してから、内壁を広げるようにぐるりと掻き回すと、また奥からとろりと蜜が溢れてくる。 「っ、ん」  ムギのなかはすっかりトロトロで、切なそうに俺の指を食んでくる。えっちでかわいい。  もう一本増やしても大丈夫そうだと判断した俺は、人差し指をそっと沈めると、さっきよりも大胆に動かした。 「んん……っ、くぅん……はう」  俺の指を受け入れている入口は赤く熟れていて、ひくひくと収縮を繰り返している。揃えていた人差し指と中指でピースをするように広げると、隙間からムギのピンクの内壁が覗く。  卑猥さに、ごくりと喉が鳴った。  ムギのなかから指を引き抜くとファスナーを下ろし、下着から痛いくらいに張りつめたものを取り出すと、ムギの濡れた蕾に先端を押しつける。  くちゅりと音をたて、先走りで濡れた俺のものと唾液と精子と蜜でとろとろになったムギのものがくっついた。 「あ……」 「ムギ」  濡れていない方の手でムギの頬に触れて後ろを向くよう誘導すると、唇を重ねる。 「もし痛かったら、ちゃんと教えて」  

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