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if番外編 ハーレムを築けなかったら6*

6.とける 「ぁ……っ、……っ」  スラックスと下着を元毅の脚から抜いて、露になったそこをゆったりと擦りあげた。  恥ずかしいのかきゅうっと唇を引き結んで声を我慢しようとしている元毅の唇の隙間へ、指を差しこむ。 「声聴きたい……我慢しないで」  元毅は緩く首を振ったけど、指を動かして口を開くようにやんわりと促すと、躊躇いながらも咥内に迎え入れてくれた。 「……ふぅ……あ、……っあ……っいやだ……」  くちゅくちゅと濡れた音をたてる元毅のものを擦りあげる速度を上げると、シーツの上でその腰が悩ましげに動いてビクビクと震える。  そうして吐きだされた温かなものを俺は手のひらで受けとめた。  息を乱している元毅の頬と耳は、これ以上ないんじゃないかと思うほど赤く熟れていて、瞳にはうっすらと涙の膜が張っていた。濡れた睫が色っぽくてごくりと喉が鳴る。 「たくさん、出た」  微笑んで、含ませていた指で元毅の舌を撫でると、恨めしそうな表情で睨まれた。そのあと躊躇いがちに柔らかな舌が絡んできてちろちろと舐められる。  そんなふうに俺の指に吸いついている幼馴染みの額に口づけを落とすと、先ほど元毅が吐き出したものを纏った手を双丘の奥へと滑らせた。  そうして辿り着いた慎ましやかなそこに、滑(ぬめ)りを帯びた中指を静かに埋めこんだ。 「……っ……」  少し沈めて、引いて。滑りを足してまた沈めてを繰り返して少しずつ道をつくっていく。  苦しそうに眉を顰めて息を詰めている元毅の唇から指を抜くと、俺はその頬に自分の頬を擦りつけた。 「痛い? ごめん。俺あんまり余裕なくて……」  本当は今すぐにでも元毅のなかに押し入って、揺すぶりたかった。そして元毅の最奥に俺のものだっていう証を注ぎこみたい。  それを、なけなしの理性で必死に抑えこんでいるような状況だった。  我慢しても次々と湧いてくる欲に眩暈がする。  大事に抱きたいのにどうしても気持ちが急いて。優しくしきれない自分に、やっぱり触れるのは我慢するべきだったと悔やむ。  けれど後悔したところでもう遅い。 「い、たくはない、から……謝んな」  ぶっきらぼうに返してきた元毅に、頬を離して正面から様子を窺う。  すると、むっつりとしながら「なんか変な感じはするけど」と続けられる。痛みというよりは違和感があるようだ。  健気に俺を受け入れてくれようとしている幼馴染みが愛しくて、俺のできる限りで優しくしようと決める。  そうしてようやく指が三本収まるまでに解けた頃、生理的な涙で目元を濡らした元毅が俺の首に手を回してきた。 「い、い」 「え」 「も、入れて……いい。こい」  そう急かされて、戸惑う。  元毅の後ろは俺を受け入れられるくらいには解れたと思う。けど、十分かといわれるとまだ少し早いような気がした。  元毅はベータで、もともとそういう器官を持つオメガとはちがう。  ケガをさせてしまうかもしれないということがひっかかって頷けずにいると、そんな俺に焦れたように顔を歪めた元毅が首に回した腕に力をこめてくる。 「……っ千耀が、欲しい。はやく」 「!」  その言葉を聞いた瞬間、箍が外れた。埋めこんでいた指を引き抜いて、元毅の腰の下に枕を敷くと熱くなった自身を取りだす。それから元毅の耳を柔らかく噛んだ。 「元毅、脚開いて……」 「……ッ……」 「ん、もっと」  俺を受け入れるために開かれた脚の間を陣取って、高ぶったものを指を抜いたばかりでひくつくそこへ押し当てる。 「ぁ……」  それに元毅がぴくりと反応して眉根を寄せる。……かわいい。 「元毅……」  俺も、先端を触れさせただけなのに下半身にじんわりとした熱が広がった。ごくりと唾液を飲みこむと、自身のものを片手で支えながら慎重に埋めこんでいく。 「ん……っ、んぅ」  じわじわと押し進めながら、時折宥めるようにキスをしたり、髪を撫でる。一番太い部分までを潜らせるとあとは比較的スムーズに進められた。  締めつけのきつさに片目を眇めながら、根本まで完全に収めきるとほうっと息を吐く。 「全部入ったよ」  元毅の下腹部を手のひらでそっと撫でると、羞恥からか元毅の目に涙が盛りあがった。 「動く、ね」  恐る恐る頷く元毅に小さく笑って、その腰を両手で掴むとゆっくりと腰を引く。 「あ……」  それから同じ調子でまた狭い内部へと身を沈めた。元毅の中を俺のもので馴染ませるように何度も何度も繰り返す。 「ンっ……、ふ……ちあき……」  いつもは強気な態度でいることが多い元毅が心許ない様子でこちらを見上げてくる。それに胸がきゅんとして、安心させるように唇を合わせた。 「……ん……」  唇同士を擦り合わせて軽いリップ音をたてて吸う。  すると、元毅の腹の中のものがきゅうっと締めつけられた。 「っ元毅……舌ちょうだい」  それに息を飲みながらねだると、躊躇いながら唇から赤い舌が差しだされる。  柔らかな元毅のものに吸いつくと、境目がわからなくなるくらい、深くお互いの咥内を貪りあった。  

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