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if番外編の番外2*

  ***  口内を肉厚な舌で隅々まで舐められて、しつこいくらいに舌が絡みついてくる。 「……っは……んぅ」  息継ぎの暇さえ与えてもらえず、酸欠で脳みそがくらくらとした。抗議の意味もこめて胸を叩けばようやく解放されて、酸素を求めて大きく息を吸いこむ。  けれどそのタイミングで、なかに収められた千耀のものがぐっと深くまで侵入してきた。 「ふぁっあ……っ」  衝撃にはくはくと唇を動かし、背中を弓なりにしならせる。そうこうしているに千耀の腰が引かれ、また下から突きあげられた。そこから規則正しい間隔でなかを穿たれる。  体温が上昇して、じわりと汗が滲んでいた。熱を逃がすように吐息を溢す。  ――隣に並んで座っていたはずが、気がつけばソファに座る千耀の膝に跨がっていた。着衣をわずかに緩めた程度の千耀に対して、おれは半裸に近い状態で千耀のものを受け入れている。  気がつけば、というのは語弊があるのかもしれない。どうしてこういうことになったのかはハッキリと覚えていた。  キスを求めてきた千耀に応えて、ふやふやにふやかされて。何度も口づけを交わしているあいだに、熱くなった千耀のものに気づいた。  千耀が、おれの幼馴染みが、おれを感じて興奮しているのを目の当たりにしたら、何度か千耀を受け入れた場所がずくりとせつなく疼いた。  千耀は場所を変えようとしたけれど、おれがそれを制してこの場で繋がった。移動しているあいだに、千耀の熱が冷めてしまったら嫌だなと思ったから。 「んん」  一度離れた唇が戻ってきたかと思うと、ふたたび口を塞がれる。  その間もトントンと奥を叩かれて、おれは指を絡めるようにして千耀と繋いでいた両手に、ぎゅうと力をこめた。 「んん、んぅ……っ、ふ、ん」  握りしめた手を握り返されたかと思うと、口のなかを引っ掻きまわされて、舌先を吸われる。ちゅうっと唾液ごと啜られる感覚に、ぞくぞくと身震いする。 「っは、……ちあき……っ」  ひどく甘ったれた声が自分の口から漏れた。普段なら絶対ださないような声だ。 「ちあき、ちあき……」  何度か名前を呼ぶと、甘く蕩けた顔でどうしたのかと尋ねられる。  それにきゅんと胸が高鳴って、堪らなくなって、両方の膝で千耀の胴体を挟むと、自ら太く脈打つものを奥に擦りつけるように腰を揺らした。 「……ふ、っ」  すぐ近くで息を飲む気配がしたかと思うと、なかのものが質量を増す。 「あ、ぅ……っ」  内側から押し広げられる感覚に震え、千耀の腹とのあいだに挟んでいたものから熱が吹きだした。断続的に吐き出される温かく、とろりとした白濁が肌のうえをつたい落ちる。  はふはふと乱れた呼吸を調えていると、触れるだけの口づけを与えられて、ぎゅうと抱き締められた。  千耀に包まれると安心感があって、おれはそのまま体重を預ける。 「かわいい……元毅。大好き」  ちゅっちゅっと顔のあちこちに唇で触れられながら囁かれて、千耀を受け入れている腹の奥がきゅうっと疼く。  内壁が震えて、なかの千耀を意図せず締めつけてしまった。そんなことでもまた感じてしまい、身震いする。 「元毅のなか、すごいひくついて俺のを一生懸命食べてる……」 「……!」 「離したくないっていってるみたい」  下から熱のこもった瞳で見上げられて、また下腹部がじんじんと痺れた。  千耀は時間をかけて熱を逃がすようなため息をつくと、おれの腰を持ちあげて、そそり立っているものを引き抜く。それからおれを抱きあげるとソファを下りた。 「ち、あき?」  肩に頭を乗せながら見上げる。そんなおれの髪を、千耀の手のひらが撫でた。 「ごめん。場所変えよう」  突然の行動に戸惑っているあいだにも千耀の足は迷いなく進み、寝室へと連れてこられる。そうして、おれは千耀の匂いがするベッドにそっと下ろされると、仰向けに寝かされた。  ギシと軋む音がして、覆い被さってきた千耀にちょんと軽いキスをされる。ぱちぱちとまばたきを繰り返しているあいだに腰の下に枕を挟まれ、両脚を持ちあげられた。  口を開こうとしたところで、それよりも早く千耀の切羽詰まった声が耳に届く。 「っ、入れるね……」  言い終わるか終わらないかくらいで、ついさっきまで受け入れていた場所にふたたび千耀が押し入ってきた。 「んんん……っ」  しつこいほど解されたあとで千耀に広げられた場所は、ぬるりと容易く千耀のものを受け入れる。すっかり千耀のものに馴染んだそこは、動かれても痛みを感じるどころか、気持ちよさしか伝わってこない。 「んっ、んっ、んっ」 「声かわい……きもちい?」 「ん。……きもち……っちあき、もっと」  熱に溶けた頭でもっと酷くしてもいいと訴えると、上で息を詰める気配がしたあと、ごくりと喉が上下する。 「もっと、酷くしていいの?」 「んう……っいい。ちあき、おれのなかでイって……なかに、だしてほし……」  腹の奥に、おれが千耀のものだっていう印を注いでほしい。いっぱい塗りこめてほしかった。  規則的な抽挿に合わせて腰を動かしてねだると、片手で顔面を覆った千耀が悩ましそうな唸り声をあげる。 「はあ……もう、どうしよう……胸がいたい」 「……な、に……具合い、わるくなったのか……?」 「ううん。ちがう。でもそれ以上なにか言われるとすぐ出そうだから、代わりに、気持ちよくなってる声いっぱい聴かせて……」  そう言うとぎりぎりまで腰を引いた千耀が、いっきになかに押し入ってくる。そのまま腰を掴まれて、奥を激しく何度も穿たれた。  入ったらダメなんじゃないかというところまでこじ開けるようにして侵入されて、突き上げられるたびになかが痙攣する。強すぎる快感に眩暈がして、言葉にならない音ばかりが喉をついてでた。  気がつけばまた腹が濡れていて、自分でももういつ達しているのかわからなくなる。それくらい次から次に強い快楽の波が押し寄せてきていた。  ベッドが絶え間なく軋みをあげ、繋がっている部分からひっきりなしに濡れた音が聴こえる。  目の前が快楽で塗り潰されて、わけがわからなくなっていた。 「やっ、やう……っあ! あ!」 「ん……そろそろ、出そう。元毅。元毅が欲しがってたの、なかに出すよ」 「ん……っンン!」  興奮して上擦った声を耳の奥に吹きこまれながら、熱く、硬く、痙攣しているものに最奥を叩かれる。目蓋の裏側でちかちかと光が瞬いたかと思うと、腹の奥が熱く濡れる感覚がした。 「……んっ、ん……、ン」  内部が痙攣して、千耀のものを搾りとろうとするような動きをみせる。ゆるゆると腰を前後させておれのなかにすべてを吐きだした千耀が、ふにゃりと幸せそうに笑って口づけてきた。 「お腹いっぱいになった?」 「……ばかかよ」  オヤジくさい台詞に少しだけ冷静さが戻ってきて、身動ぎをする。千耀はそんなおれを抱きなおしながら、頭に頬を擦りつけてきた。 「あー……。元毅が俺の幼馴染みでよかった。じゃなかったら元毅のことお嫁さんにもらえなかっただろうし、本当に幸せすぎる……かわいい……」  まだ結婚した覚えはないが、こいつの中では既におれは嫁になっているらしい。  

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