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第4話
それから僕が迎えたのは憧れのおっぱいと戯れる夢のような日々だ。
秋吉先輩はなんだかんだと文句を言いながらも僕につきあってくれている。――ときどき何かを諦めたような遠い目をしていることがあるけども。
放課後の生徒会室。ソファーに上半身裸で寝転がる秋吉先輩の太股に跨がって、今日も今日とて僕は麗しい淡い色の突起にくちづけていた。
「ん……ふ、……ん」
ぷつりと尖ったそこに一度ちゅっとくちづけてから、唇のあいだに挟んでやわやわと食む。僕はもうこの時間のために生きていると言っても過言じゃない。
秋吉先輩のおっぱい最高!
夢中になっておっぱいを堪能する僕の下で、秋吉先輩がはあと熱いため息をこぼしている。ここ最近集中的に弄りまくっているせいか、どうやら先輩は乳首で感じるようになってしまったらしいのだ。
濡れた瞳で僕を見上げてくる秋吉先輩は本当に色っぽくて、なんだかドキドキしてしまう。
生徒会長に選ばれるだけあって秋吉先輩は面倒見がいいし、懐も広い。こんな性癖の僕を文句を言いながらも最終的に受け入れてしまうのだから相当だと思う。
そんな秋吉先輩のおっぱいに触れている時間は楽しいだけじゃなくて、やすらぎのようなものも与えてくれて、僕は一生分のしあわせを今使い果たしているのかもしれない。
ただ、いいことばかりじゃなくてちょっと困ったこともあるんだけど……。
なにがって、僕におっぱいを弄られて気持ちよくなっている秋吉先輩を見ると、僕もなんだかやましい気持ちになってしまうのだ。
そんなふうに先輩のことを見てるなんて知られたら、きっと今以上にドン引きされてしまうのはまちがいないから絶対に内緒だけど。
そんなことを考えながら硬くしこったそこに舌を這わせていると、お腹になにか硬いものが触れて動きを止めた。
「ん?」
視線を下げるとわずかに反応したものがスラックスを押し上げている。
僕は秋吉先輩が気持ちよくなっていることを単純に嬉しく感じたけど、本人は違ったらしい。視線に気づいた秋吉先輩に突然ぐいっと胸を押しやられる。
「……今日はもう、おしまいだ。降りろ」
驚いてぱちぱちとまばたきを繰り返していると、顔を赤くした秋吉先輩がバツが悪そうにそっぽを向いた。
「え? なんで、まだそんなに時間経ってないのに!」
いつもはもっと長い時間相手にしてくれるのに、唐突に告げられた終わりに僕は秋吉先輩に食ってかかる。
「いいから退け」
腕をつかまれて秋吉先輩の上から退かそうとされて、いやいやと首をふった。なんの説明もなくそんなこといわれても納得できない。
「篠岡!」
しばらくごねていたけど、強い口調で咎められて僕は渋々秋吉先輩の上からからだを退かした。
怒鳴られることは日常茶飯事で慣れているはずなのに、今日の秋吉先輩はいつもとどこかようすがちがう。なんというか、切羽つまってるっていうか……。
「秋吉先輩?」
「おまえは先に帰ってろ」
身を起こした秋吉先輩がこちらを見ることなくそう言った。不自然なくらい視線を合わせようとしない秋吉先輩に僕は眉を寄せる。
急に冷たくされて、頭のなかが疑問符でうめつくされた。特にいつもとちがったことをしたつもりはないけど、知らないうちに怒らせてしまったのだろうか?
「いやだ。僕先輩になにかした?」
「そうじゃない……いいから帰れ。それと言い忘れていたが、明日からは忙しくなるからしばらくはおまえにつきあえそうにない」
「!」
それだけ言って話を打ちきってしまった秋吉先輩に呆然とする。急展開すぎてついていけない。
こんなときに忙しくなるから会えないなんていわれても本当かどうか疑ってしまう。浦ノ崎先輩からも生徒会が忙しくなるなんて話は聞いていなかった。
「なんですかそれ。だいたい、なんでさっきから目合わせないんですか。秋吉先輩がこっちを見るまで僕帰りませんからね」
自分でも思っていた以上に悲痛な声がでてしまう。秋吉先輩には無理矢理つきあってもらっている立場だし、終わらせたいといわれたなら仕方ないことなのに。
そうわかってるけど、理由も説明もされないのはつらかった。せめてこっちを見てほしい。
僕のお願いに秋吉先輩は一瞬だけこちらに視線をよこして、すぐに逸らした。
「!」
その、秋吉先輩のこちらを向いた目元がうっすらと赤く染まっていることに気づいて、僕はぱちりとまばたきをした。
もしかして、と一つの仮定が浮かびあがる。秋吉先輩は怒っているんじゃなくて、恥ずかしがってるだけ……?
そのことに気づいた途端それまでのもやもやした気持ちがきれいさっぱり吹きとんだ。
ソファーの端に座っている秋吉先輩の隣にぴったりとくっつくように座りなおす。そんな僕に秋吉先輩はびくりと大きく震えると戸惑ったようすでこちらを見下ろした。
「篠岡? おまえ帰るんじゃ……」
「そう思ってましたけど止めました。秋吉先輩がよそよそしくなった理由ってこれなんでしょ」
これ、のところで秋吉先輩のスラックスの前に触れる。
「!?」
布越しに触れたそれはさっきよりも少しだけ落ち着いたようだけど、まだやんわりと布地を押し上げていた。
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