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第4話

「園生、帰ろうぜ」 あれから理玖と何らかの縁があって、友達になったのだ。自分がみんなの言う彼に“似合う友達”ではないことは承知の上だ。それでも理玖が僕と友達でいてくれる、新しい友達ができたことを素直に嬉しいと思えた。 今では理玖とよく行動を共にし、たまに遊ぶ仲である。呼び方も園生から一葉に変わり、一葉も理玖と呼ぶようになった。理玖はよく笑い、自由で、突発な風のようだ。彼に振り回されるのも楽しいと思うようになった。 だからこそ、理玖が彼と話しているのを見たとき、驚いたのだった。理玖とは違う、もう一つの風がいるのか、と。 ある日のことだ。理玖とは毎日中庭で昼食をとるのだが、その日、理玖は昼食前の授業に姿を見せなかった。男同士が毎日一緒にご飯を食べるのも理玖は嫌かと思った一葉は、一人でご飯を食べようと中庭へ向かった。 廊下に出ると、いつもよりざわめいた空気が肌に伝わってくる。何かあったのだろうかと思うも、理玖の他に友達がいない一葉は、聞きようがなかった。諦めて大人しく中庭へ向かおうと思ったとき、廊下の角で誰かと話している理玖を見つけたのだ。

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