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第13話
その後、2、3日は体調不良が続いた。環境が変わってその疲れが出たのだろう。理玖と奏矢は、毎日お見舞いに来てくれた。
ーーー
「お、おはよう…」
この学校で、奏矢に進んで挨拶する者など、理玖しか知らない。それなのに聞こえた声は理玖とは程遠く、弱々しくか細い声だった。
誰だろうかと思案する前に振り向いた奏矢は、そこに一葉がいることに驚いた。
一葉は、視線をキョロキョロと彷徨わせつつ、奏矢にチラリと視線を向けた。前ならば有り得ないことだったのだが、今回の挨拶は、治った彼なりの、感謝の気持ちなのだろうか。
奏矢は、最上級の笑みを一葉に向ける。そして、こう言った。
「おはよう、一葉」
一葉は、この笑みが見れるのなら、どんなに注目されようと、彼と釣り合わないとしても、この男と友達でいたい、心からそう思うのだ。
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