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第19話

波に恐る恐る足を着けてみると、その冷たさにびっくりして足を引っ込めてしまった。 「…海の水ってこんなに冷たいんだ…」 背後から2人が笑う声がする。一葉は恥ずかしくなり、服が濡れるのも構わずに海の深いほうまで向かっていく。膝が水に浸るくらいまで来て後ろを見ると、2人は楽しそうに話していた。 …2人は僕が知ってるより前からの友達だしな…。邪魔したら申し訳ない。 少し寂しく思いつつも切り替えた一葉は、少し奥の岩ほうに何かがいるのを見つけ、2人の邪魔をするのも悪いと感じて1人でそちらに向かっていく。 足場はかなり悪くなり、剥き出しの岩が皮膚の薄い足裏に刺さりかなり痛かったが、我慢して向かった。その岩場はかなり大きく、2人からは見えないところにあった。

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