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第21話
「っ、ゲホッ、っはぁ」
理玖に手を引かれ、奏矢には後ろから見守られる。そのまま浜辺まで辿り着き、何とか落ち着くことができた。
目も鼻も、痛いが、それより理玖と奏矢の視線が痛かった。
「…心配かけてごめんなさい」
「落ち着いたか?」
「…うん」
「何であそこまで行った?」
「えと、…ヒトデが見えたから」
大分心配したらしく、奏矢は少しだけ震えていた。理玖も、元気が無さそうだ。
「まぁ…お前から目を離した俺らも悪いけど…お前も、行くときは声くらいかけろよ」
A海岸には人は居なかった。理玖たちが気付かなかったら、どうやっても助けられなかっただろう。
「気を付ける…本当にごめんなさい」
少し落ち込んだ一葉だった。
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