21 / 22

第21話

「っ、ゲホッ、っはぁ」 理玖に手を引かれ、奏矢には後ろから見守られる。そのまま浜辺まで辿り着き、何とか落ち着くことができた。 目も鼻も、痛いが、それより理玖と奏矢の視線が痛かった。 「…心配かけてごめんなさい」 「落ち着いたか?」 「…うん」 「何であそこまで行った?」 「えと、…ヒトデが見えたから」 大分心配したらしく、奏矢は少しだけ震えていた。理玖も、元気が無さそうだ。 「まぁ…お前から目を離した俺らも悪いけど…お前も、行くときは声くらいかけろよ」 A海岸には人は居なかった。理玖たちが気付かなかったら、どうやっても助けられなかっただろう。 「気を付ける…本当にごめんなさい」 少し落ち込んだ一葉だった。

ともだちにシェアしよう!