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第5話
「それでは始めてください。」
着々とオーディションは進んでいた。
たくさんのカメラに囲まれているからか、みんな緊張を隠しきれていない様子だ。
「ほら、栞太、俺らも裏に」
「ああ、」
控室には偶然あいつがいた。
「、、俺の後ですね、頑張ってください」
「他人事みたいに言うけど、お前は大丈夫なのか?」
「、、あとは全力出すだけです」
その目には自信が見えて、少しからかう気持ちで聞いたのが恥ずかしかった。
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評価はBだった。そしてあいつはAだった。
早く追いつきたい、その一心でこれから過ごす数週間に期待を馳せた。
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