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第6話

「みなさーん、宿舎へ向かうバスがあるので会場出たらバスの中で待機しててくださーい」 バスの中は相当なカオスだった。 溜息をつく人もいれば、韓国の地に興奮している人もいた。 わりと遅めにバスに乗り込むと、かなりの席はもう埋まっていた。 知り合いがまだ少ないからか、なんとなくあいつの姿を探してしまう。 黒いマスクをつけ、イヤホンをつけたまま目を閉じていた。 「ここ座るか」 「おう」 ちょうど後ろだった。 座席の上から頭が出てきた。 「B、でしたね」 「ああ、Aって、すごいな」 「早く来てくださいよ、俺待ってますから」 「、、、そういえば俺らまだ自己紹介してなかったよな、」 「知ってますよ、栞太さんですよね」 「あ、おう、」 「相馬 隼人です、よろしくお願いします」 少しだけテンションの高い声で名乗って、また口角が少し上がった。 「じゃあ宿舎に向かいます」 俺らの練習生としての道が始まった。

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