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確かに課長は不思議なフェロモンを持っている。男女問わず、その瞳に見詰められると盛らずにはいられない。しかも課長も盛りが付いたら止められないらしく、その手の噂が絶えなかった。
しかし、仕事に関しては完璧で社長も一目置く存在の逢坂課長。人柄も申し分なくて、誰も課長の悪口は言わない。
「またエレベーターが開かなくてさー」
「えー、またあ? もしかして逢坂課長?」
「……だった」
「しょーがないよねー。逢坂課長だから」
おいっっ ! !?
なんで逢坂課長やったらしょーがないねん !?
久し振りに関西弁の登場だ。
どうやら俺の怒りは相当な所まできているらしい――。
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