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第25話 GINGER ALE(2)

「くすぐったい。」と涼矢がわずかに身をよじらせる。 「そろそろ、いいだろ? もう緊張してないよな?」 「え?」と顔を上げた涼矢の唇に、和樹は自分の唇を押しあてた。 「2人きりでベッドにいて、何もしないつもり?」 「こんなに明るいうちから。」 「俺は10時オープンなんだろ? とっくにオープンしてるよ?」上京直前、そんなことを言いながら、時間を惜しんで体を重ねた2人だった。  和樹は立ち上がり、窓際に立った。「明るいのが嫌なら、カーテン閉めるよ。なんたって遮光だから。」カーテンを引くと、部屋は本当に一気に暗くなった。 「じゃあ、シャワー、借りていい?」 「だめ。」和樹は涼矢をベッドの上に押し倒す。覆いかぶさるようにして、再び涼矢の耳元に、そして首筋にキスをした。 「汗かいてる。」 「それがいいんだよ。」和樹は涼矢の首筋を舐めあげながら、「涼矢の匂いがする。」と言った。 「おまえも変態チックなこと言ってる。」 「涼矢ってさ、ここから何か甘い匂いがするの。知らなかっただろ?」和樹は、すん、と鼻を鳴らした。 「え、それ、加齢臭とかそういうやつじゃないの。お父さんの枕が臭い理由。」 「違うよ、良い匂い。フェロモンじゃない?」 「そんなとこから?」 「知らないけど。この匂い好き。」和樹はしつこくそのあたりに口づけを繰り返した。「んで、やらしい時、匂いが強くなる。」  涼矢は反射的に和樹の口づけているあたりを手で覆おうとしたが、和樹がその手を制した。 「今はそれほど強くない。汗のほうが強い。」 「だから、シャワー……。」 「やだ。」和樹は仰向けに横たわる涼矢にまたがって、まずは自分のTシャツを脱ぎ捨てた。 「うわ。」涼矢が呟いた。 「何だよ。」 「すげえカッコいい。」 「何が?」 「和樹が。」 「惚れ直した?」 「うん。」和樹がTシャツの上から涼矢の乳首をつまんだ。「ひっ。」 「ひっ、だって。」しばらく乳首を弄ぶと、Tシャツの上からでも分かるほど立ってくる。和樹はTシャツの下から手を差し入れて、直接触りだした。 「んっ、あっ……。」涼矢は目を閉じ、更に腕で目を覆い、喘ぎ始めた。和樹は乳首を弄りながら、上体を傾けて、さっきと同じように耳の下に舌を這わせた。 「あ、ちょっとやらしい匂いになってきた。」 「……嘘、だろ。」 「俺はおまえみたいに嘘なんかつかない。」和樹は涼矢の上と、ベッドから降りた。そして穿いていたジーンズを脱ぐ。涼矢も、ベッドに横たわったままTシャツを脱ぎ、腰を浮かせてズボンを脱いだ。それから再び、和樹はベッドに乗った。ただし今度は涼矢には乗らない。涼矢の足首を持ち、左右に開かせた。 「挿れたいの?」と涼矢が言った。 「いいや。」和樹は涼矢の足の間に座り、涼矢の股間に手を伸ばした。そして、涼矢の下着の上からそこをさすりはじめた。「俺は準備できてっから、おまえのほうを。」 「準備できてるって?」 「涼矢が言ったんだろ。準備しとけって。あんなもん送りつけて。」 「え。」 「だから準備した。」 「え、ちょ、あっ……。」和樹の手の動きが速くなると、じきに涼矢の下着が濡れてきた。「まさ…か……プラグ……?」 「そうだよ。あれからちゃんと毎日使ってるし。今日だって迎えに行く前にシャワ浣まで済ませてるからな、もう、いつでもOK。」 「マジ……?」 「嘘つかねえっつってんだろ。」和樹は涼矢の足の間から抜け、涼矢の下着を脱がせると、直接しごいた。 「あっ……やっ……。」 「だから……早くこれ、くれよ。」和樹は片手で涼矢のペニスをしごきつつ、もう片方の手で自分の下着を下ろした。

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