34 / 1020
第34話 GINGER ALE(11)
やがて100個の餃子は、無事に2人の腹の中へと納まった。
「食えるもんだな。」空になったホットプレートを眺めながら、和樹が言う。
「だろ?」
「すげえにんにく臭いけど。自分が。」
「俺もだ。」涼矢が皿を片づけ始めると、和樹が立ち上がり、シンクに先回りした。涼矢から受け取った皿を洗う。「自発的に洗うとは、感心、感心。」涼矢が和樹の頭を撫でた。
「これぐらいはさせていただきますよ。」
「コーヒー淹れる? ……と思ったけど、このにんにくの後味にコーヒーは合わないな。」
「やっぱり、餃子だとウーロン茶とか欲しくなるもんだね。」
「買ってくる? 下の自販機。」
「うん、お願い。」
涼矢はアパート前の自販機でウーロン茶を買い、すぐに戻ってきた。「隣の人、いるみたいだね。明かりついてた。」
和樹は何か言いたそうに涼矢を見るが、何も言わなかった。涼矢はウーロン茶のペットボトルを和樹の首筋に当てた。「つめたっ!」
「それより大きな声は禁止、ってところかな?」
「そんな調節、できっかな。」和樹はすべての洗い物を終え、そのままキッチンで立ったままウーロン茶を飲み始めた。
「猿轡でもする?」
「……おまえ、本当にやりそうだからやだ。」
涼矢は何も答えず、ベッドに腰掛けた。その隣に和樹も座り、2人は並んでウーロン茶を飲んだ。
「口の中さ、お茶飲めば一時的にさっぱりするけど、やっぱりこみあげてくるな、にんにく臭が。」と和樹が言った。
「うん。強烈。歯磨きしても無駄っぽい。」
「じゃあ、歯磨きは省略していいな。匂いはお互い様ってことで。」和樹はウーロン茶を飲み干す勢いでゴクゴクと飲むと、ペットボトルをテーブルに置いた。
「ホントにすぐヤるの。」
「うん。」和樹は涼矢のペットボトルも取り上げて、さっき自分が置いたボトルの隣に置くや、涼矢をベッドに押し倒した。涼矢は抵抗せず、されるがままだ。
和樹が涼矢の上からキスをした。唇から頬、顎、首筋へと、口づける箇所が徐々に下降していく。和樹は涼矢のTシャツを脱がせ、更に肩から胸へと口づけていった。小さな乳首を口に含んだ時には、涼矢が小さく喘いだ。その反応を見て、和樹は舌先でそこを更に舐った。口にしていないほうも指先で弄ぶ。
「ちっさくてもちゃんと勃つよな、男のここも。」和樹が言った言葉に、涼矢は赤面した。「涼矢、結構好きだよね、乳首。」
「言うな。」
「好きだろ?」
涼矢は目を閉じて、返事をしない。和樹はそれ以上返事を無理強いすることなく、再び乳首を舐めた。
「んっ」涼矢がその刺激に反応する。和樹が執拗にそこを責めると、涼矢の喘ぎが激しくなり、乳首はますます固く尖った。
和樹は、涼矢の股間に自分の太ももを押し当てた。早くも硬くなってきている。ようやく乳首から口を離すと、涼矢のズボンに手をかけた。2人とも買い物に行った時の出で立ちのままで、涼矢はご丁寧にベルトまでしている。まどろっこしそうに和樹がベルトを外し、ズボンを脱がせる。
「こんなのして、よくあれだけ食えたな。」
「してたからあれだけで済んだんだ。」和樹に下着をはぎとられながら、涼矢が言う。
「おまえ、この2週間で太るんじゃない?」涼矢はいざ食べるとなると大食いだが、一人だとほとんど食事を摂らない。4か月前より明らかに細くなった体は、1人で過ごす時間が多かったことの証だ。
「太りたくない。明日からは豆腐とこんにゃく料理だ。」
「今ちょっと痩せ過ぎだよ、もう少し肉ついていいよ。それに、明日はハンバーグだろ?」
「そんなに楽しみか?」
「当たり前だよ、ハンバーグだよ? 楽しみに決まってる。」
涼矢が、はは、と笑おうとしたときに、和樹が涼矢のペニスを口に含み、笑うどころではなくなった。「あっ……。」
和樹は涼矢のペニスを握り、根元から舌先で舐めはじめた。涼矢は口を自分の腕で押さえて、喘ぎ声を上げないようにしているようだったが、それでも時折切ない声が漏れ出た。鈴口から先走りの液体が溢れてくるようになると、和樹は手も使って刺激しはじめた。加速する刺激に、涼矢のペニスはいよいよ固く屹立した。
「気持ちいい?」和樹の問いかけに、涼矢はコクコクとうなずいた。
「……俺もやる。和樹の、ここに来て。……一緒にしよ。」
和樹は一瞬わずかな戸惑いを見せながら、身体を180度回転させ、涼矢の顔をまたぐようにシックスナインの体勢を取った。涼矢も和樹のペニスを口に含み、舌先での愛撫が始まった。その時まではまだ和樹も涼矢の口淫を続ける余裕があったが、涼矢の舌がペニスからアナルへと移動すると、強烈な羞恥心が湧きあがり、同時に快感につきあげられ、思わず涼矢のペニスを口から外すはめになった。更に涼矢は手でそこを押し広げ、より奥へと、固く尖らせた舌先を伸ばしてきた。
「あっ、涼、だめ、そこっ……。」
ともだちにシェアしよう!