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ロック!!襲うぞ!!①
Side: 夏目 拓馬
ようやく……再会した次の日の朝。
布団を頭からかぶったまま、聖は動こうとはしない。
「おい、聖……。メシ作ったぞ」
布団の上にのしかかったが、呻き声もあげない。
「不貞腐れんなよ。指二本とかいきなりは無理だって」
「……」
昨日、俺は触っていちゃいちゃすればそれ以上は望んでいなかったし。
俺だって女と経験はあるが、男は暇のゲイビぐらいしか情報ねえんだし、無理したいわけじゃねえ。
ただ触れるだけで止めようと、手を戒めといたのだが。
先を急ぐ聖は、俺の制止を聞かずに無理しやがって。
俺の下半身を見て目を見開く聖は、小動物のように可愛いかったが、反動で無理させたくないという気持ちが強くなった。
だが何もしないのは流石に聖の男としてのプライドが許されないのだろう。
受け入れると決めた気持ちも大事にしたい。
なので俺もそのプライドを受け入れようと、硬く熱を持った聖自身を咥えてみた。
指を一本だけ挿入した瞬間、悲鳴をあげたのでやめようとしたが腕を掴まれ続けろと目で睨まれた。
なのでローションでほぐしながら、二本目をいれようとした瞬間に雄たけびを上げたのでやめた。これ以上は辞めよう、無理しないでいいとキスしてあやす様に寝た。
それで終わりと思ったが、ここで不貞腐れるとは思ってもいなかった。
「おい、聖。いい加減にしろ」
「……」
「布団の中に逃げられてたら、キスできねえだろ。無理やりしてやろうか?」
ポンポンと布団を叩くと、片手で小さく捲って片目で俺を見上げてきた。
「……今日もする」
「あ?」
「今日も、後ろ慣らしてくれよ!」
「……お、おお」
悔しそうな涙目で何を言ってるのかと思えば。
「毎日、夏目さんの指でちゃんと慣らせよ!」
煽るのが上手いクソガキが。
朝飯より、お前を食うぞ、このガキ。
「分かった。少しずつな」
大人のふりをして余裕ぶって頭を撫でたら、聖はやっと布団から出てきて、俺に抱きついてきた。
「メシ、良い匂いがする」
「ああ、お前の好きな赤いウインナー、鮭、からあげだ」
「朝からからあげ!」
くしゃっと聖が笑うと、トトトトと軽い足取りでキッチンへ向かった。
前髪を掻きあげながら、ちらりと自分のすっきりと並べられた棚を見る。
後ろを開発するなら、是非とも自社のアダルトグッズを。
と言うわけにはいかねえよなあ。
いや、慣らすなら絶対に良いと思うんだが、何でだろうか。
俺も嫌だ。
だが、負担は減らしてやりてえよな。
俺は変わってやれねえし。
「夏目さーん 俺、珈琲入れてみてもいい?」
「ダメだ。神聖なキッチンにお前は入るな」
「えー! 俺、こう見えてもバイト先で珈琲注げるようになってるし」
慌てて枕の下にアダルトグッズを隠しつつ、キッチンへ向かう。
まずは、指だ。
指から先になってから考えればいいだけ。
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