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恋人生活③

拓馬の指は優しい。 ゆっくりと入口から解していき、何度もローションで濡らして、俺がイくほど快楽もくれる。 でも今日は違う。 イきそうになった瞬間、俺は自身をぎゅっと握って堪えた。 キスして息が荒くなっていた拓馬が怪訝そうに顔を離す。 「どうした?」 「この前、俺がイったら終わったから、まだ。ちゃんと最後までしないとイかない」 「……そう強がるなよ」 苦笑しつつも観念したのか、太腿まで脱がしていた俺のスーツを掴んで引きずり下ろす。 さすがにこれは、……しわになっちゃうだろうな。 ボタンを外されただけのYシャツも、シーツの海の形になっているに違いない。 「拓馬もはやく脱げ! 脱がすぞ」 「焦るな、バカ」 ちゅっと唇にまたキスしながら、バスローブを脱いで下着だけになった。 その下着からは、大きくなっているのか尋常じゃないぐらいの膨らみが見れて、思わず息を飲んだ。 ……いつ見てもあの大きさには身体が竦む。 奥に当たったり、弱い部分を擦られるとイイと分かってるから、興奮と恐怖が入り混じってる感じ。入るまでが怖いんだよなあ。 でも身体の奥が疼いてしまう。 触れると、熱くて硬くて脈打っていてちょっと怖い。 片手で握っても上手に掴めない。熱いし、雄臭そう。匂い嗅いでもいいのかな。 「――おい、聖。じろじろ見てんじゃねえよ」 「だ、だって、やっぱ俺と大違いと言うか」 「――黙っとけ」 甘く囁かれ、唇を奪われる。 「んっ」 今度こそ、身体から力が抜けて、拓馬の匂いに包まれた。 ああ、火照って香る拓馬の体臭さえ、なんだかすっげええっちなんですけど。 セクシーだし恰好良いし、でかいし、おまけに口が悪い癖に面倒見も良いし優しいし、料理出来るし。 最高すぎて、どうしていいのか分からない。 それぐらい愛しくなる。 黙ってる。目も閉じるよ。 そうしたら、奥に入っていく感触が、より鮮明に感じられるから。 ずぷずぷと、耳を塞ぎたくなるような妖艶な音。 それに合わせて揺れる身体、絡まる指先、熱くなる吐息、激しくなる快楽。 ああ、やべえ。 絶対、汚れた。止められないほど、汗や先走りが溢れてくる。 「やべ、拓馬」 「あ?」 「好きすぎて、やばいかも」 ぎゅっと背中を抱きしめる。 「煽るな、馬鹿野郎」 照れを隠すと同時に、埋め込まれた熱が更に大きく膨れた。 「ぁっ ガツンガツン、奥、――好き」

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